トルコ・シリア地震の報道の違い

今回はトルコとシリアの国境沿いで2月6日に起きた地震の雑記です。今も救助活動がされていますが、現時点で両国合わせて4万人を超える犠牲者が出ているそうで、まずは亡くなった方には謹んでご冥福をお祈りします。

震源17kmほどの場所でマグニチュード7.8と震源10kmほどのところで7.5の地震が二度来て、そこそこ大きな余震も何度かあったという報道を見ました。いずれも日本の震度にすると震度7超えで、阪神淡路大震災の22倍とか30倍とか、見るニュース記事でも幅がありましたけど、とにかくとてつもなく大きい地震であったと。

その辺の専門的なことはあちこちのニュースになっていますが、私も専門家じゃないので「そうなんだ」って見るだけです。ですが当たり前に日本では、どんな地震だったとか、断層やら地震の起きた要因を専門家が説明してたり、過去の日本の地震と比較してたり、どうしてこんなに建物が崩壊したのかとかの分析とか地震そのものに時間割いて説明してますよね。

そういう一連が日本でよく見る『地震ニュース』ですけども、それを今まで見て来たので、地震になったらそういう報道が当たり前と今まで思ってきましたけども。

当たり前じゃなかった、報道って国によってだいぶ違う――ってのが今回の話。

     

 
一番の比較対象はアメリカのニュースです。今回ケーブルのMSNBCとかFOXニュースとか左右関係なく見てみましたが、地震の報道はトップニュースで毎回結構流れてました。日本がトルコ地震って言ってた初期から『トルコ・シリア地震』ってシリアもちゃんと含めててポリティカルだなと関心はしたりしました。

が、報道内容自体は、日本人からすると「地震で建物が崩れて大勢の被害が出ています、今は何人が亡くなってます」みたいな辺りで止まっていて、必要な情報が足りない感が。

そこで何が欠けてるのか考えて、アメリカは救助活動とか、亡くなった身内を悼んでる人とか現場の緊迫レポートがメインで『今』に集中してるってのと、言い方悪いですけども視聴率を気にして派手な画面を求めてる感があるなと思った。

 
基本はレポーターが現地に行って、救助現場のレポートや被災した現地の人のコメントをとったりの『災害レポート』メイン。それは日本もやってるけど、どこかの局のレポーターが救助の邪魔したって炎上したってニュースもありましたけど、アメリカだともっと救助の邪魔してます。

というか救助隊も自国へのアピールで協力してて、がれきの中から人を助けるシーンを救助隊の真横からカメラ構えてレポートしてたりしてました。先ほど我が国のレスキュー隊が生存者を救出しました!ウォー!パチパチパチ、みたいな。

更には遺族に突撃してたり、犠牲者の過去を聞いて悲劇のストーリー作ってたり、ほぼ人がメインの話。一応、トルコ大統領の被災地訪問とか違法建築の疑いで建築業者が逮捕されたみたいなのも報道されてたけども、これもまあ人の話だよね。

その辺は、震源だの震度がどうのよりも、少女が〇時間ぶりに救出された!とかのがアメリカ人が感銘受けるからそういう作りになってんでしょうし、批判対象というより文化の差ですけども。

 
だってカリフォルニアとか地震が多いエリアもあるけども、一度も地震を経験したことがない人が半分以上の国なんで。日本人だと「阪神淡路の○倍の直下型地震が二度来た」って聞けば、「うわーそれはやばい!トルコ助けなきゃ!」ってなりますけども、地震の経験がない人には、共感も何もできないわけで…。そもそも直下型とか知らないし。エモーショナルな報道と言ったら救出劇や悲劇に偏ると。

脱線しとくと「地震を経験したことがある」ってだけでもアメリカ人にはアピールポイントになります。てかなりました。一度も体験したことがないって人に「今まで何回地震を経験した?」って聞かれたけど、逆にいちいち数えてる日本人いないよって答えに困った。年に数回くらい経験するって答えたよ。

一度も経験したことない人的には、地面が揺れるのが想像つかないとか、ハリケーンと違って事前に予測できないから怖いらしいです。日本人的には、明日来るか10年後か100年後か分からないけど大きいのが来るのは確かだから準備してるじゃんて感じなんですけども。私は銃犯罪の方が怖いんですけども…。

 
というようにアメリカではほとんどの人には地震は未知で他人事だったりするとか、地理的にも実害がない遠くの話だとか、そもそもキリスト教徒が多いからかイスラム教のトルコって国も遠かったりとか、シリアは制裁してるからもっと遠いのかなとか、いろんな文化的要因もあるとも思いますが、報道してる割には他人事感がある気がした。

まあこの辺はあくまで映像のニュース局の話なので、新聞系のニュース記事だともう少し突っ込んだところまでは報道してましたけど、いずれにしても日本人的には「もっと詳しい情報が知りたいのに」となってしまうと。

リアルでも、勿論トルコとシリアのために募金や援助しようって人たちもいるんですけども、日本の時も援助とか寄付とかたくさんしてくれたわけですけども、なんとなく温度差を感じて私の個人的な寄付は日本の銀行口座から大使館にしたし。ついでにしばらく使ってない楽天のポイントも。そっちの方が有効に使われそうな気がした。

 
これがイギリスのBBCとかITVとかの報道だと、地震の断層の話やどうして建物が倒れたのかをもう少し分析してたような。BBCのネット記事だとトルコの耐震基準(日本の新耐震とそう変わらない)と実際のお金で減免されてたシステムとかも報道してたし、復旧に長い時間がかかるとか未来のことまで予測してたり、結構突っ込んでるなって気はしましたけども。

とはいえやっぱの日本の報道が一番詳しくて多方面から分析してたと。

私も英語と日本語の一部のネットニュースを見ただけで全部の国の報道見たわけじゃないし、偏りがちですけど、日本人の私が知りたい情報は日本のニュースが一番触れてた。台湾とかインドネシアとかその他の地震国もそうなのかなと思ったけど、言葉の壁が…。

日本はやっぱり地震が他人事じゃないからこそで、どれくらいの規模の地震がどんな状態できてどれだけの被害を受けたみたいなところも詳しいし、トルコの耐震の抜け道を報道しつつも、今回の直下型2回の影響力とか被害の大きさも報道してて、『日本は耐震基準が守れてるから大丈夫』って単純な楽観にはなってないというか。念のためにもっと日本は気を付けないとねって感じになってる気がしました。

震災翌年2012年に撮った松島(だったと思う)の標識。

 
ちなみに今回は世界各国から救助チームや援助物資が向かっていたので、多くの国がアメリカみたいに自国レスキューの救助の瞬間を報道してたり、技術や活躍や我が国からの援助をアピールしてました。イギリスニュースでも「自国のレスキュー隊が○歳の子を助けましたとか」アピールしてたし。ネットニュースで見ると、インドとか中国も自国の活躍アピール激しかった。そういうのが『我が国のレスキューすごい』から『我が国すごい』の愛国心につながるのかと思ったり。

もっと日本のメディアも自国の救助隊に付き添って、どれだけ人を助けたすごいぞとかアピールしなさいよって他国を見てると物足りなくなりつつも、そもそも日本の視聴者が「人命優先でマスコミは邪魔するな」が第一なので、そういう派手な報道を求めていないかなとも思ったり。マスコミが張り付いて報道しなくても、日本の救助隊も活躍してるのはわかってるから、遠くで見守る日本式が奥ゆかしいのかもと思ったりもしました。

今は各国のニュースがインターネットでも見られるので、何かあったらみなさんも見比べてみると、視点や気にするポイントが国によって違うねって気づきますよって話でした。