ネットの世界はグローバルで国境がないはずなのに、実際のところは規格の壁が立ちはだかってます。そのため俳優・作品ありきでアメドラのDVDを海外から取り寄せて見ている私の場合、再生するために、規格に合わせたプレイヤーとソフトと、最近増えてきたオンライン配信業者のツールとか、増やし続ける羽目に陥ってます。
DVD再生用ハードウェア
DVDディスクやテレビにはリージョンという地域規格があります。北米(アメリカ・カナダ)はリージョン1で、日本やヨーロッパはリージョン2です。日本国内で流通している日本版だけを見るならリージョン2しかないので気にしなくていいんだけど、私は日本にないものを海外から取り寄せるのでアメリカからだとリージョン1で、日本にあるものやヨーロッパから取り寄せるものはリージョン2と、両方が必要になってます。私はパソコンでしか見ないけど、テレビは出力規格もあって同じリージョン2でもヨーロッパのは見られないとか更に細分化されてるらしい。
そしてDVDにはBlu-rayディスクもありますが、こっちは(パソコンで見る場合)日本とアメリカの規格が同じで、ヨーロッパは違う。私は今のところはアメリカ版しか買ったことないけど、Amazon.co.jpでもページはアメリカ版になってるのに業者がイギリスだったりするとうっかりヨーロッパ版を送って来たりするので注意。まあその場合は返品か交換することになりますが。
DVD | |||
---|---|---|---|
リージョン1 | アメリカ・カナダ | ||
リージョン2 | 日本・ヨーロッパ | ||
Blu-ray | |||
リージョン1 | アメリカ・日本 | ||
リージョン2 | ヨーロッパ |
今持ってるプレイヤーのリージョンとは別の地域のDVDを見たい時は、1回見るくらいなら変えて見てから、また元に戻せばいいのですが、一般的なDVDプレイヤーはリージョンが大体3~5回までしか変更できなくなってます。ということで、何度も見る必要のある我が家には、リージョン1と2とBlu-ray1用の3台の再生機があります…。Blu-rayプレイヤーにDVD再生機能もあるので、主に稼働してるのは2台だけど。万が一、Blu-ray+ヨーロッパでしか発売されないなんてものが出てきたら4台目が必要に…。
これはアメリカに限らず、ヨーロッパとかアジアとかの映画やドラマを取り寄せて見ている人たちも、みんなこんな感じになってるはずです。中国、アジア圏やアフリカ、オーストラリアもまたリージョン違うから。世界各地の映画やドラマを見るのが趣味、なんて人だともっと何台も必要になるのでは…。
そして版権の問題なのか、欧米で出せなくなってるドラマのDVDが何故かオーストラリアのメーカーだけで出てることも多々あったりするんですが、大体は世界で売ること前提に『リージョンフリー』にしてくれるけど、たまにリージョン4なんてオーストラリアと南米でしか見られない規格で出されてしまうこともあり、Amazon.comのレビューでも「見られません!」て切れてる欧米の人がいたり。←この場合ちゃんとリージョン4ですの注意書きはある。あるけど普通の人はリージョンなんて気にしないから、説明無視して買って、見られないって怒るのです。
この『リージョンフリー』はどこの地域でも見られるってことで、プレイヤーとディスクのそれぞれに設定が可能。とはいっても昔は『リージョンフリーのDVDプレイヤー』があったんですが、何かと厳しくなって今はありません。海外にはあるのかな?まあ今でも機種によってはリージョンロックが外せるなんてのもあってやってくれる有名な業者さんもいるけど、うちはパソコンで見てるので、USBのDVDプレイヤーだと高くて1万くらいだから複数持ちのが安いんだよね…。
DVDディスクの方でも、特にコンプリート版なんかは世界のファンに売るために『リージョンフリー』なものがあったりするけど、少数派。アメリカの業者とイギリスの業者がそれぞれのリージョンで同じドラマの別パッケージ売ってたりで住み分けしてるとか、同パケがそれぞれのリージョンで出てる。
さてハードはそんな状態ですが、ソフトも色々。
DVD再生用ソフトウェア
Windows7まではデフォルトの『Windows Media Player』でDVDも見られたんですが、Windows8以降はDVDの再生は有料化しているそうで、我が家の『Media Player』もmp4とかの動画は見られてもDVDは見られない。
そのため別途ソフトを手に入れることになるわけですが、これも実は色々ある。フリーでも高機能なのはあるようですが、広告が出るとか機能制限されてるのが多い。字幕は表示できてもCC(クローズドキャプション)はできないとかもよくある。
- 字幕:画面の下とかに出てくる白い文字のあいつ。
- CC(クローズドキャプション):基本は字幕だけど聴覚障碍者向けで、会話や音声の補足をしているもの。アメリカ国内配信での規格なので基本は英語(かスペイン語)しかない。だけど準拠した字幕をクローズドキャプションと呼んでる例もあり、それだと日本語含めて多国語ある。
※当然ながらどちらもDVDに入ってないものは、どんなソフトを使っても表示されません。現時点では。Youtubeみたいに音声から自動読み取り機能つけてほしいよ。英語字幕なくて聞き取れてないやつあるし。
こんなのどっちかでいいじゃんて?表示される内容はほぼ同じなので、片方しかない場合の方が多いのですよ。
字幕しか表示できない再生ソフトだとCCしかないDVDディスクは文字出ないし。(あんまりないと思うけど)CC機能しかないソフトは、普通の字幕が出ない。うちの昔の再生ソフトは字幕しか出ないパターンだったので、ずっとDVDのCCの存在に気付かず、CCしかない作品は字幕ないと思って気合で聞き取りしてました…。10年くらいたってソフト変えて初めて「このDVDはCCついてた!」って気が付いた。
ちなみには今は主と副で字幕2種類+CCが表示できる『PowerDVD』って有料ソフトで見てるので、『日本語字幕・英語字幕』の両方がある場合は同時に上下に出すことも可能。ウザいから普通はそんな見方しないけど。英語字幕も最初はあればつけるけど、何度か見たら消してます。
私は有料のソフトをずっと使ってるけど、お金払いたくないって人は探せばフリーでも同じくらい有能なのはあるはずです。むしろフリーだと有料ソフトにはない、外部の字幕を取り込んで表示させるグレー機能とかついてたり。英語字幕なくて聞き取れなくて泣いてたドラマの字幕も、ネットの世界ではたまに誰かが書き起こして字幕化してくれてるけど、そういうのをセットで表示できるってやつ。でも私の好きなやつは古いかマイナーすぎてそんな有志の字幕すらネットの海にもなかったりするので、やっぱり気合で聞き取りしてたり…。
そして、このソフトもBlu-rayはまた規格違ってたりするので注意。
Blu-rayにはコピープロテクトとしてディスクとソフトの認証があるそうで、フリーソフトでは基本は見られません。たぶん認識しても再生しようとすると失敗するはず。けど確か中国製の『Leawo Blu-ray Player』ってやつはその認証もクリア出来るとか聞いた。うちはなんでも上のソフトで見てるから分からないけど。
ということで、自分の今のDVD再生ソフトがBlu-ray未対応なら、更に有料・無料いずれかのBlu-ray再生ソフトも必要になってくるわけで、何も考えずなんでも元から入ってる『Windows Media Player』で見てた時代とは違ってややこしいと。
更にDVDによっては再生ソフトをインストールさせようとして来たりもするので、知らないうちに知らないソフトが入ってたなんてパターンもあり。→Sony系列のDVDをうっかり自動再生したら、『InterActual Player』ってソフトインストールされちゃって、アンインストールしたのにいまだに関連付けがおかしくなってる。それで懲りて自動再生オフにしたし。これ見る時はダブルクリックしないように超気を使うし、他のDVDも毎回右クリックで『PowerDVD』選ばないとならない。地味にむかつく。
そして何より『PowerDVD』は名前の通りDVD用のソフトなので、mp4とか他の動画や音楽は別のソフトを使う必要があると。私は『Windows Media Player』で見てますが。
と、こんなわけで、ソフトの方も用途や場合によってはわらわら増えるのです。
オンライン視聴
一昔前はケーブルテレビや有料放送だったけど、最近はパソコンとインターネットがあれば『Amazon Prime』とか『Netflix』とか『hulu』とかでいろんなドラマがオンライン配信されているので、海外ドラマはそれで間に合っているという人も多いでしょう。データ購入でローカルに落とせるのもあるし。
けどこれは色々見るにはいいんだけど、見たいものがピンポイントであるかって言うとそうは限らないし、特に古いのは消えるしで、私の場合みたいなこれが見たいってのがありきだと、ひとつの配信業者で済まなくて、この作品はあっち、これはこっちと、あちこち登録してアカウントもバラバラ増える。
更にうちは日本未配信・未公開の映画をとあるアメリカの配信業者で『データを購入して』『ローカルに落として』見てるけど、これ見る時にはそこの専用ツールじゃないと駄目なので、この再生ソフトも残しておかないとならない。
大体、他のオンライン業者もデータの購入ができても、自分のところのツールでないと再生できないようになってるので(そうでないとコピーされまくるから)、オンライン配信もくり返し見たい場合は業者ごとの壁ができてくると。
それだけでなく地域の壁、本当の国境もある。アメリカだけ配信とか、日本だけ配信とかの制限付いてそれ以外の地域はブロックされてたり。いわゆる『おま国』ってやつです。これやられるとページまで辿り着けるのに、見られないという生殺し状態になる。
そんなわけでどれをとってもネットの世界は国境だらけで、それぞれに対応しようと思うと、ツールが色々増えていくと。オンライン配信になってもそれは変わってません。まあ違法でない方法でアメドラを楽しむためには仕方ないとは思いますが、もうちょっと規格統一してよーといつも思う。