引き続きイギリスのギャング一家を題材にしたBBCのドラマ。今回はSeries3です。どーでもいいけどアメドラだと『Season*』って数えるけどイギリス(とアイルランド…っていうかヨーロッパ?)は『Series*』でカウントしてるよね。どっちでもいいんですけども。Netflixはアメリカの会社だからか(?)シーズン表記みたいなので日本語タイトルはそっちに合わせてますが。
さて時代設定のせいか、私の関心と知識が偏ってるせいか、イギリスドラマのはずなのにSeries1-2はアイルランドの歴史とIRAを延々語ってみましたが、今SeriesはIRAは出てきません。なので脱線も少なめ…のはずだったのに結局長くなった!←ツッコミながら見てるからじゃ。
ということで今回も念のため書いとくけど、私は英語版で見てるので、この先の固有名詞は英語で表記します。そしてここから下は完全ネタバレしてます。ツッコミ入れまくってますが、けなしてるわけじゃありません。ツッコミ入れながら見るのが面白いんです。
・Peaky Blinders(ピーキー・ブラインダーズ) [2013- BBC] 一部ネタバレ・偏りすぎなドラマの背景
・Peaky Blinders: Series1(ピーキー・ブラインダーズ: シーズン1) [2013- BBC] ネタバレ感想
・Peaky Blinders: Series2(ピーキー・ブラインダーズ: シーズン2) [2013- BBC] ネタバレ感想
・Peaky Blinders: Series4(ピーキー・ブラインダーズ: シーズン4) [2013- BBC] ネタバレ感想
・Peaky Blinders: Series5(ピーキー・ブラインダーズ: シーズン5) [2013- BBC] ネタバレ感想
Series3 1924年
E01
前回series2から2年後。最後の宣言通り、Graceと結婚するThomas。結婚式シーンから始まりますが、Arthurもいつの間にか結婚しててLindaって奥さんと参列してる。Johnと嫁Esmeも赤ちゃん抱いてるけども、その後に出て来ないこの赤ちゃんは誰の子?後の回で嫁は妊娠して最終話ではそっちの子を抱いてたし。そして遅れて到着してるGraceのドレスが紫っぽい色付きなのは再婚だからでしょうか。
ほんとかどうか知らないけど、再婚なのに白いドレスやベールはどうなのって女王が苦言を呈してたとか、このドラマの国の王室の次男の結婚式のゴシップ記事があったっけね。一応白いウエディングドレスを着ていいのは穢れなき乙女だけらしい。再婚は基本は色付きドレスなんだってよ。そんなんナンセンスっていうか日本人は全く気にしませんが、神様の前で誓ってる宗教儀式なわけなので。
更に、Shelby一家はカトリックで(Thomasは聖書信じてないって言ってたが)、北アイルランド出身のGraceはプロテスタント設定みたいですが(Series1でCampbellが探してたのがプロテスタント兵士だったとか、彼女が撃ったIRAが「Proddie b*tch」って彼女を罵ってたとか)、この式は混在しててよく分かりませんが、厳密なことを言うと神様の前で誓った結婚なので、カトリックの場合は離婚だと再婚できないとか、死別ならセーフとか制約があるそうな。
プロテスタントの方は多少緩いらしいけど、イギリス女王の妹さんが同様の理由で離婚歴のある好きな人と引き離されてたし、この時代はいずれにしてもホイホイ再婚できるもんではなかったのではないかと。なので後にGraceの前夫は自殺してたとかさらっと会話に出てたけども、結婚できるように追い詰めたんじゃないかとか不穏な想像してみたり…。優しくて金持ちでいい男だったらしいのにいろいろ可哀想すぎ。
Graceの親族も来てるのでThomasはピリピリしてて、ケンカするなとかコカイン禁止とかみんなに言い聞かせてますが、結果的に自ら真っ先に破ってるのが笑いどころシーン。その後に他のメンバーも言われた内容全部破ってるし。
しかしThomasはGraceと二人きりになったら尻に敷かれてるじゃんか…。前回最後に妊娠がわかって二年後なので当然デキ婚です。もう既に豪邸で一家で暮らしてて、息子はCharlesって名前らしく愛称Charlieで呼ばれてるんだけど、身内でPeaky Blindersおっさんメンバーの一人Uncle Charlie(Series5で母の過去を知ってたから多分母の兄弟)と名前被ってて紛らわしいね。どっちを呼んでるのかたまに迷うよ。このドラマ、結構名前被りが多いんだな。
※Graceが好きな喜劇王Charles “Charlie” Chaplinから名前をとった説があったので補足。ほんとかどうかは知らないけど。
さて、この結婚パーティーで謎のロシア人がいたり、またPolly叔母さんが謎モテしてたり、息子MichaelはLizzieと言い合いになってたり。この取り合わせは新鮮な感じ。Michaelの調査だと彼女のパートナーは偽名使ってる怪しいやつで、だから結婚式に呼ばないように彼のレストラン燃やしたとかいう話らしい。無茶苦茶すぎる。
Arthurがガチガチに緊張しつつ祝辞スピーチ頑張ってるシーンがかわいい。不穏な話題(Graceの前夫の死)の件に触れかけて止められて、後で失敗したかってクヨクヨして奥さんに慰められてたり拗ねてたりかわいい。←Arthurが一番好きだからひいき目。
Michaelはコカインほしがってる若い娘さんといいムード。そこでまた「Tokyo」来てます。コカインの呼び名です。ただMichaelは自分らは「Snow」って呼んでるとか言って以降はそっちが主流になってます。そっちのほうがわかりやすいね。彼女は他に相手がいるみたいだけども、コカインやってMichaelとヤってます…。
BBC『Peaky Blinders S03E01』
「Tokyo」の由来は前Seriesのとこに書いてます。
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Thomasはさすがに兄Arthurの操縦がうまくて、彼をなだめすかしつつロシア人の殺害を『The Shelby Foundation』のチャリティとかでみんなが騒いでる時に任せてる。財団作って寄付集めて合法活動もしてますよと。その裏で闇稼業もしてるけど。
この件でGrand Duchess(大公女)とか呼ばれてる謎のロシア美女Tatiana Petrovnaも出てくるわけですが、最初Michaelの彼女と間違えて「???」ってなったのは私だけでしょうか。髪型とか似てるのね。けど見返したら公女の方がケバかった。そして彼女の依頼は何ぞや?ってのはGraceがPollyへ語ってる台詞で説明されてます。
Royalist Russians buying weapons to fight the Bolsheviks in Georgia.
And Churchill, he’s the go-between.
But it’s against government policy so everything must be kept a secret.
直訳すると、君主党ロシア人がジョージアのボリシェヴィキ(ロシア共産党,レーニン派)と戦うために武器を必要としてて、国の政策に違反するから内緒でChurchillが仲介してるビジネスらしい。それをThomasが任されたと。
というわけで今回のSeriesはロシア革命(後の混乱)絡みです。公女Tatianaと次の回から出てくるGrand Duke(大公)のPetrovich Romanovたちは、名前の通り1917年のロシア革命で滅びたロマノフ家がモデルらしい。
史実だとロマノフ家の皇帝と家族は娘さんたちも幽閉ののちに処刑されて断絶しています。最後の皇帝ニコライ2世の娘たちの一人で今回の公女と同名のGrand Duchess Tatiana Nikolaevnaって綺麗な王女も銃殺されてる。けど傍系は亡命していたり、関係ないとこから自分は末裔だと主張する人たちもいたりするそうで。そんな話を信じてる人たちのドラマ『The Romanoffs(ロマノフ家の末裔)』ってのもアマゾンにあったね。
時代背景の方も書いとくと、このドラマの時代1924年のジョージア(当時はグルジア呼び)はロシア管理下にあってソ連崩壊まで連邦の一員でしたが、1924年と言ったらロシアのレーニンが亡くなった年で、スターリン(彼もジョージア出身)が後継者になった年です。
要するに、イギリスは裏から彼らじゃなくて、史実では滅びた王室派の肩を持って共産主義者の力を削ごうとしてる――というストーリーなのかな。←前回までの聞かれてもいないのに延々IRAとUVFを語ってた時とテンションが全然違うぞ。
と言っても前回のアイルランド同様に、このドラマはイギリス側は実在の人物キャラが出てくるけど、他国の英雄は直接は出てきません。おそらくいろんな配慮かな。Churchill絡みで依頼を受けてThomasたちが関わった事件が実在の歴史的事件につながってるって夢とロマンのあふれるフィクションです。
E02
ThomasはLanchester Motor Company(バーミンガムに1930年まであった自動車メーカー、今はジャガーかどこかの傘下)にやってきて、装甲車置いてある場所の鍵をよこせって取引持ち掛けてます。この脅されてるおっさんどこかで見たなと思ったら、『Chernobyl(チェルノブイリ)』で放射能瓦礫除去した人たちに握手してた「I serve the Soviet Union.」の将軍の人でした。
アメリカやアイルランドドラマは私が見てるのが偏ったジャンルなせいか、いつも同じような俳優・女優さんだらけですが、イギリスドラマもいくつか見てると、見知った人がちらほら出てきますな。
そして今度はFather(神父)Hughesと待ち合わせしてる。上の件は彼との取引だったらしい。ミーティングに待ち人は来なかったけど、神父はMr Romanovとホテルの名前を置いてってる。
イタリアンマフィアのChangretta一家がJohnたちの元へ抗議に来てる。息子のレストランを燃やして結婚式に出席できなかった件だって。前回Lizzieがキレてたけど彼女の相手がChangrettaの息子さんらしい。そしてJohnがこの怒ってる父ちゃんの言うこと聞かずに茶化してるのは、やっぱりLizzieにまだ情があったりするから嫉妬とか?自分はもう結婚して子供もできてんじゃんか。
好戦的なJohnに、いつもは真っ先にキレるArthurも謝るように言ってたり。Pollyも説得に来てたり。Lizzieに謝らせて彼と別れさせるとか言ってるけども、Johnは言うこと聞かずに息子Angel Changrettaを待ち構えててボコボコにしてます。その時「Stay away from Lizzie!」ってキレてるから、やっぱり未練が大ありみたい。
彼女に謝らせたくなくて、相手のことも気に入らなくてこうなったと。ボコった後に剃刀で目をざっくり行っててぐろいです。父ちゃんが見舞いに来てる時も叫び声上げてたし、ひぃぃぃ。けどThomasは、謝ったらまた謝ることになってって弱味見せたら付け込まれるからJohnが正しいって、一家への更なる襲撃指示してる…。
一方でThomasはロシア革命とRomanov一家について調べてホテルへ会いに行く。Romanovの直系じゃなくてジョージア出身の傍系って指摘されたらキレてたけど、スターリンがジョージア出身なことで引け目があったとかみたいに、これも不名誉なんでしょうか。そこで大公はでっかいサファイアを前回の暗殺とその後の報酬にくれるけど、でかすぎて笑えます。
Thomasは早速サファイアをペンダントにしてGraceに贈ってて、彼女はチャリティディナーで身に着けるって。知事を呼んで出席の返事もらったとか言ってるし、豪邸に住んでチャリティだのやり始めるとか成金おハイソマダムになってしまったよーな…。隙あらば撃ってる暗殺者状態だった頃よりは物騒じゃないけども。
Thomas一家がお馬を見つつ、金魚をつんつんしてるシーンで前SeriesのMayを思い出したよ。個人的には彼女の方とくっついてほしかった。
前後してMichaelはコカインあげた彼女とできてて、オフィスへ連れてきてThomasに紹介する仲になってるし、ArthurはChangretta襲撃の件で出かけようとしたら、働くのは昼間だけって奥さんに止められてるけど、Lindaは敬虔なクエーカー教徒(非国教徒,プロテスタントの一派)だから夫にも規律を守るよう言ってるって意味らしい。光とか闇とか言ってるのはそれらしい。
予備知識なしに見ると、夜にコソコソ出てってヤクザな仕事をしてる夫を心配して足を洗うように諭してる――ように見えるけども、彼女のキャラは狂信的で夫をコントロールしようとしてる女、なんだそうな。前提知らないと全然別のものに見えてしまうね。
そうかと思えば、Thomasたちはスコットランド・ヤードに捕まるし。彼らはSergeant Mossを介して警察を丸め込んでるけども、Father Hughesはスコットランド・ヤードとつながってるんだと。そしてThomasたちのことは全部監視してること、息子Charlieのベッドにお手紙仕込んだことも言ってて、慌てて帰ってみるとベッドの下に不吉なお手紙が。家で雇ってる人たちの中にもスパイがいるってことね。
Polly叔母さんは肖像画描いてもらいつつ口説かれてるし、マジで彼女のモテ設定わからん。この時、学がないこと自嘲してた彼女に画家が褒めてた「A woman of substance and class」とかって話も聖書から来てるらしい。そこから由来してる同名のベストセラー本とかドラマもあるらしい。
そしてパーティではサファイアつけて知事とか紹介してるGrace。Father Hughesたちも来てて不穏な空気になったり。彼らとThomasがこっそり話してる間にロシア公女TatianaがGraceと仲良くなってたり。
Thomasが無茶を言うTatianaを振り切ろうとしたら、奥さんのサファイアにはジプシーの呪いがかかってるって笑われて、慌ててGraceに外させようとしてるけど、ついついイチャついてしまってるとこで、Angel Changrettaの仇って暗殺者が登場。Graceを撃ってます。それをボコってるJohnたち。
いろいろとカオスな展開です。まあ彼女が消えたのは大人の事情があったらしいが。こら。
ダイヤモンドだと、インドから盗まれて持ち主を次々と呪ったとかいうアメリカの『ホープダイヤモンド』とか、男性だけ呪われると言われるイギリスの『コイ・ヌールダイヤ』とかいくつも呪いのアイテムがありますが、呪いのサファイアはあまりメジャーではありません。
が、そもそもサファイア自体が、先を見通す力を与えるとともに、敵対する者には不幸を与える石とかって不吉な意味のある石なんだと。イギリス王室の婚約指輪はサファイアなので全部が全部問題ってわけではないんでしょうが。
E03
喪に服してる一家。ほんとにGrace死んじゃったんだね。Thomasは一人森かどこかで考え込んでたけど戻ってくる。そこでPollyと息子Michaelの合法ビジネスの話――新しい学校の名前を『The Grace Shelby Institute』にするとか決めてる。それを自分たちとの話より先にしたことにキレたり拗ねたりしてるArthurとJohnがかわいい。けど面倒臭い。嫁死んでイラついてる時にウザいわってThomasもキレてたけども。笑。
Arthurは、前回の報復でAngel Changrettaの入院してる病院行って喉掻き切ってトドメ刺した報告してる。正直、この息子さんとばっちりすぎて可哀想なんだけど…。けどThomasは更にArthurとJohnにニューヨークへ逃げようとしてるVicente Changretta(父ちゃん)も捕まえろって指示してる。
この時、同行者を聞かれて「奥さん」って答えるんだけど、当然「撃てよ」って言われてて戸惑う二人。奥さんのMrs Changrettaは彼らの学校の先生だったらしい。いい先生だったんだと。だから殺したくないんだって。前回、珍しくArthurが謝れって言ってたのとか、乗り込んできた父ちゃんが昔から知ってたみたいな話してたのはそこにつながると。
E02
You are such big boys now.
But once you borrowed clothes from us to look like men.
キッチンでまだ小さいAdaの息子Karlの前でf*ckとか使うなって言ってるのにみんなが連呼してて、最後にはKarlまで真似しちゃってるベタなネタが笑えます。ここでもまだ順序にこだわって拗ねてるArthurとJohnが面倒だ。
ケンカ売られて買ってるMichaelもふてぶてしくてやっぱり一家の血なのね…。後には銃の使い方教わりながら二人に向けてるし、母ちゃんにはもう子供扱いすんなって吐き捨ててるし、タバコ吸っててもArthurにコカイン渡してても擦れてないFinnとどんどん差が開いてく…。てかJohnより悪党っぽくなってる気が…。
ついでに脱線しとくと、前Seriesでも書いたけど、John役のJoe ColeとMichael役のFinn Coleはドラマではいとこだけどリアルでは実の兄弟です。
と思えば、Thomasは息子Charlie連れてロマ(ジプシー)らしく旅に出ちゃうし。そこでサファイアの呪いを見てもらってサファイアあげちゃったり。呪いなんて信じてないだろうけど罪悪感から呪いって言ってほしかったらしい。たぶん。そして家に戻ってくる。
ArthurとJohnが装甲車置いてるとこの人脅してたり、Pollyが相変わらず肖像画描かれながら口説かれてたり。そしてニューヨークへ逃亡しようとしてたChangretta夫婦はArthurたちに捕まってる。いい先生だった奥さんはニューヨークへ行けと逃がして、夫の方だけ捕まえてThomasに会わせてます。
Graceを殺されてキレてるThomasにいたぶられる前にArthurがあっさりChangrettaの頭を撃ってるとこも一応は情とかあるのかな。てか、最初にレストラン燃やしたり、先に手を出したのJohnだし。Lizzieが息子を選んだのが悪いって言うけどさ、そして何度も言うけどさ、この一家はとばっちりでひどい目に遭いまくってて可哀想。それが後につながるけども。と先のネタバレ。
Arthurの妻Lindaが彼に妊娠したのを伝えてて、喜んでみんな集めて報告してるArthurがかわいい。
Thomasはロシア大公のディナーに誘われててそこにいる神父がスパイだって公女に伝えてる。彼を殺す許可をくれって。物騒な。
E04
S01E05で出てきた一家の父Arthur Srが死んだニュースが入ってる。長男Arthurは彼の名前をもらってるので、正式にはArthur Shelby Jr.なんだな。詐欺師の父は嫌われてるし、誰もJr.とか呼んでないが。
その頃Pollyは酔っぱらって教会でS02E06でおっさんことCampbellを殺したことを告解してる。後悔してるかと思ったら、後悔してないことを告解したいと。死んでもまだ報われないおっさん…。そして聖職者を殺そうとしてることを告白しかけて止めてる。
けど後にはこの神父がFather Hughesにそれを伝えて、彼は自分のことって悟ってるし。神父も告解の内容は漏らしちゃダメとか守秘義務あるんじゃなかったけか。
男性陣は装甲車を盗む仕事の計画してる。家だとスパイがいるかもだから森の中で話してるらしい。そして死んだGraceとの約束通りこれが終わったら裏家業からは足洗う宣言してるThomas。嫁に夜働くなとか言われてるArthurも納得してる。
会社ではPollyは酔って手が震えて金庫開けられなくてアル中みたいになってて、Lizzieに開けてもらってる。彼女がなんで番号知ってるのかっていうと、Thomasが鬱な時に慰めてヤってるかららしい。Johnの嫁Esmeは妊婦なのにコカイン吸ってるし、この時代は危険性が知られてなくて淑女もフツーにやってたらしいけど(?)いろいろすごい。
そこへ手伝いに来るArthurの嫁Linda。けど彼女は、イースターに働かせられることに抗議するJessie Edenの女性労働者たちのデモへ彼女たちを誘ってる。このJessie Edenもドラマの背景の実在の人物のところでちょっと書きましたが、この時代にイギリスで実在した女性です。女性労働者の権利や給与の向上を訴えたのも史実通り。ただしコミュニストで政府からは煙たがれてた。その辺のエピソードはこの先に出てきますが。
と思ったら、仕事ボイコットしてデモに参加してる女性陣の代わりに仕事しに会社へ行ったJohnが、Esmeが金庫の金をくすねてコカイン買おうとしてたのを「妊娠してるのに」って見咎めてる。やっぱ妊婦には危険ってこの時代も知られてたのね…。代わりにでかい家買おうとか夢を語ってるJohn。
よくよく考えると嫁とプロポーズした未練ありの元彼女が同じ職場ってのもすごい。Johnにプロポースされた仲なのに、その兄ThomasとヤってるLizzieもすごいけど…。要するにみんなおかしい。
その後のシーンでThomasとTatianaはヤってるし。毎回ゲストの美女にモテモテなのは主人公だからね。けどメインの寝室じゃないのが気に入らなくてキレたのか、銃持ち出してロシアンルーレットやってるクレイジーな彼女に振り回されてるThomas。たまには振り回される側もいいね。
あんたもやってみろって言われてヤダって言ってるよ。子供が出来て守るものがあるからさ。その後に脱いだりメイドに酒くれって絡んでる彼女に「こいつやべぇ」って顔して引いてるThomasが笑えます。
職場ではJessie Edenの影響受けた女性陣に、トイレ分けろって言われてたり。日本も『労働安全法』だったかで男女のトイレ別とか規定されてますが、この法律ができたのは1970年代でだいぶ遅れてます。古いビルやお店はトイレも共用だったりしてるし…。ただアメリカとか男女平等追求しすぎて共同化に戻ってるとこもあったりして、そういう意味だと共用が最先端と言えなくもない…。←脱線しすぎ。
さてArthurが嫁に計画全部話しちゃうことを牽制しようとLindaへ会いに行って、彼女に報酬交渉で負けてるThomas。足を洗ったらカリフォルニアへ行くんだと。そっちはクウェーカー教徒の人が多いから。その前にJohnがデモのこと報告してたシーンで首謀者は彼女だろうって当ててて、「彼女は賢い」って含みある言い方してたけど、Thomasはこういう女性は苦手なタイプっぽい。
Father Hughes殺しの計画が漏れてたせいで、Thomasは待ち伏せされて逆にボコられてまたもやひどい状態になってたり。息子をさらうって脅されてロシア大公たちへ「Father Hughesは無実で、自分の情報は間違えてた」って言えとか脅されて、ディナーの場で言われた通りに話してるし。カッコ悪い…。
それでArthurとJohnには計画の中止を伝えるものの、Adaにはロシア大使館のやつを呼べって言って情報流したり。一応タダでは転んでないっぽいけどボロボロです。夫が死んでも長女はいまだに共産主義者にコネがあるのが何気に怖い。だから警戒されるんだ…。
E05
S02E02に続いて、またもや主人公とは思えないほどの変わり果てた姿で入院してるThomas。アヘンでラリってたりモルヒネ飲んでたり。そこへ来たのはMichael。Father Hughesの件で、彼を知ってるって。「子供の頃に――」って言いかけて止めてたけど虐待されてた告白みたい。神父が子供たちにいろいろしてたリアルのニュースもありましたが、その類。そして彼を自分が仕留めたいと。いきなりな展開です。
三ヶ月経って治ったらThomasは断薬してビジネスに戻ってる。そして呼ばれるユダヤギャングのAlfred Solomons。相変わらず分かりにくい話し方です。ウザキャラです。なんて思ってたら、キッチンでMichaelが、恋人が妊娠した話してて、Arthurたちに結婚しろってからかわれて嫌がってる。彼女も子供が欲しくないからって。
その後にMichaelは母PollyとAdaの家へビジネスの話に来たかと思えば、仕事は上の空でコソコソ中絶の手配してるし。母は画家の元へ行って完成した絵を見つつやっぱりヤってるし。奔放親子…。
Alfred Solomonsと再会して、S02E05で騙されてボコられたのを思い出して逃げようとしてるArthurがかわいい。相変わらずすっとぼけて謝ってるふりしてるSolomonsにキレかけて耐えてるのもかわいい。そんな姿をまたいじられてキレそうになってたり。
ロシア大公のお屋敷で最初に身体検査で脱げって言われてキレてたり、Thomasに耐えろって言われて渋々従ってたり、同じように脱いでるJohnにまで笑われてたり、Arthurが試練続きで笑えます。その後は乱交してたけど。ロシアの彼らはクレイジーすぎて、先に送り込まれてたスパイの男の子は泣いてたよ。どれだけひどいんじゃ。
さてSolomonsを呼び出したのは、ロシアの財宝の価値をチェックしてもらうためだったらしい。彼は大公たちと対面するなり母がロシア難民だったとか恨み言言ってた。そしてお宝鑑定してるんだけど、彼にめちゃ値切られてすごい睨んでる公妃とか怖すぎる。
ここでもっとすごいお宝あるんだろって言われて、『Fabergé egg(ファベルジェの卵)』を見せてるTatiana。これは金細工師のFabergéさん(実在の人物)が作ったイースター・エッグのひとつで、結構な数が作られていくつかは現存しています。ロシアの博物館にあったり、たまにどこからかお宝として見つかって鑑定したら本物だった!って世界のニュースになったりしてる。
ドラマのは勿論、その中のひとつって設定のフィクションだけども。つまりは世界にいくつかしかないとても貴重な宝飾卵なのです。ぐぐったらAmazonや楽天市場にもたくさん売ってたけどさ。今は何でもネットで買える時代なのね。※もちろんレプリカです。
あちこち乱交中でThomasはTatianaに誘われてるけど、クレイジーな彼女はまだGraceを愛してんでしょとか詰め寄ってたり、ヤりながらThomasの首絞めてたり怖いって。けどThomasはThomasでGraceの幻覚が見えてるし。彼女とヤってる気になってる…。一方でメイドと浮気するのに結婚指輪を外してるArthurはかわいい。次の朝には我に返ってか鬱になってたり…。
そして人を雇って、彼らの財宝を盗むために屋敷の下までトンネル掘ろうとしてたり。
過干渉なPollyは息子Michaelのデスクをこじ開けてて、指輪ケースみたいなの見つけてる。恋人へのプロポーズかと開けたらFather Hughesの名前が彫られてる弾丸見つけて、いろいろ悟ってる。Thomasに咎められるけど聞いちゃいないし。説得聞かない彼女に「なんでこうなるかな」って顔してるThomas。今回は振り回される回だね。
ということで、今回はクレイジーで男を支配しようとする女たちも裏テーマになってる感じ。息子Michaelの件でのPollyと、Arthurの嫁Lindaと、そして公女Tatianaと。Jessie Edenもある意味そうかな。
そして今回のお宝イースター・エッグといい、Jessie Edenのデモの話でGood Friday(イースター前の金曜で祝日)とかイースターだとか出てきてましたが、時節的にはこのイースターがフューチャーされてるみたいな。
E06
『The Grace Shelby Institute』ってGraceの名前を付けた孤児院が完成してパーティ。Thomasがスピーチした後に一人、Graceの写真に語り掛けてるとFather Hughesがやってきたり。そこへMichaelが鉢合わせしてたり。子供たちを連れて(表向き)真っ当そうに見える彼を見送ってたり。ちょっと目を離した隙にThomasの息子Charlieがさらわれてたり。
そしてThomasはFather Hughesに子供を人質に電車爆破を指示されてる。ついでにFabergé eggとか財宝盗むためにトンネル掘ろうとしてたこともバレてる。
情報が漏れてるってことでThomasは誰が漏らしたか問い詰めてる。JohnはMichaelだろうって言ってPollyはキレてるけど、ThomasはMichaelには卵の話はしてないって否定して、ここにいるメンバーしか知らないはずって。
その後に二人きりで、Pollyが肖像画家に漏らしちゃったんだろうって言ってて、彼女も心当たりがあったのかショック受けて、完成したばかりの絵をズタズタにしてたり。ミーティングに遅刻して末っ子Finnがやってきてるけどボケキャラ化してるね。
情報得るためにThomasはAlfred Solomonsとまた会ってるけど、Fabergé eggの購入希望者のリスト渡すとこで肝心の名前消されてる。犯人分かっちゃった。銃向けられても相変わらずとぼけてる。そこで揉み合いになったとこでSolomonsの部下の頭ぶち抜いてるのはなんとMichael。ずいぶん成長したもんだ。悪い方へ。けどキレてるThomasをなだめてたり、いい方にも大人になったような。
Solomonsは部下殺されて逆切れして(るふりして)文句言いまくって、場を誤魔化してうやむやにしようとしてる。笑。Thomasの息子が誘拐されたことは知らなかったって言ってるけど本当でしょうか。このAlfred Solomonsってキャラの「金に汚くて、ずる賢い」性格とか言動は、ユダヤ系の人を貶す時のステレオタイプ設定ですが、胡散臭い喋りと演技でいかにもこのキャラの性格ってぽくなってて誤魔化されてしまうね。
さて事務所へ来た肖像画家は自分が描いた絵が切られててショック受けてたり、Pollyに銃向けられてたり。と思ったら結局はまたイチャイチャしてたり…。ArthurたちはThomasの息子を探してたり。そうかと思えばThomasが自らトンネル掘ってたり。MichaelはArthurたちに初めて人を殺したのを告白してたり。
ArthurとJohnが爆破準備してるとこで、MichaelはFather Hughesを殺そうとしてるけどためらったとこで反撃されてるし。けどナイフでちゃんと倒してた。そこで人質のCharlie助けて、だから爆破は中止なんだけど、連絡ミスで線路の爆破しちゃう二人。慌てて走って伝言に来るFinnはオチキャラなのか…。
そして爆破されて巻き添えで死んだ名もなき人たちが可哀想…。このドラマ、Changretta一家はカタギじゃないから除外してもまだ、理由があって死んでる人より巻き込まれてとばっちりで死んでる人のが多い気が。庶民はギャングに関わるとロクな目に遭わないってことでしょうかね。死んでないけど画家の人もThomasの勘違いで濡れ衣着せられてたし…。
Thomasの息子Charlieが無事に助け出されて戻ってきたところで、Michaelの額に血がついてるの見て悟ってるPollyとか。恋人に別れ告げて金置いてってるMichaelとか。なんかカッコいいぞ。Thomasが全身泥だらけになって地味に穴掘ってる間にMichaelにドラマの主役の座を奪われそうになってるし!――と心配したところで場面変わって、Thomasは盗んだ財宝持ってTatianaと再会してる。
彼女は金渡して財宝受け取って、それ売ってウィーンの彼氏の元へ行くんだって言ってる。依頼して盗ませておいて、何者かに盗まれたことにしつつ独り占め目論んだってことかな。宝石商に財宝の鑑定させつつThomasに別れのキスして、ヤった分の金くれって請求してるし、挙句には宝石商の頭打ち抜いてるし。最後までクレイジーなTatianaは、ビビるThomasを前にもらったお金と宝石持って消えたと。
最後は裏家業が終わって、約束通りにThomasが報酬をみんなに配ってる感動シーン(?)。しんみりしてるとこで、アメリカ行きの船に遅れるからってArthurが嫁に急かされて去ろうとしたとこで、昨日Sergeant Mossと話をした、遠くへは行けないって切り出すThomas。ArthurとJohnの二人は線路の爆破、PollyはS02E06のCampbell殺し、Michaelは神父殺しでそれぞれ逮捕されるって。とばっちり爆破の報復あったのね。
捕まったら死刑にされちゃうとかって場が混沌としたとこで、敵はもっとでかいから仕方がないって言ってるThomas。信じてくれってArthurに言ってたけど、身内売って一人だけ無罪かよってところでクリフハンガーエンディング。
正直、なんだこれな終わり方。散々ツッコミながら見たし面白かったけども。
Series4へ続く。
・Peaky Blinders(ピーキー・ブラインダーズ) [2013- BBC] 一部ネタバレ・偏りすぎなドラマの背景
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