さて先日、イギリスの女王エリザベス2世が96歳で亡くなってイギリスでは国葬が行われてました。イギリス女王と言ったら即位の際に生涯をかけて任務にあたると誓ったので高齢になっても引退しない――みたいな話はよく語られていました。日本の先代の天皇が退位する時にもそんなニュースがあったよね。実際亡くなる2日前に新首相の任命してた。
今回はそういう国家に対する『忠誠』とか『誓い』について書いてみたいと思います。前に欧米の歴史でよく出てくるこの誓いの重さについて調べたことがあったので。
しかし私が調べたのは例のごとく専門のイギリス統治下のアイルランドの歴史絡みなので、女王(というかイギリス王室)は敵である。女王と並べてこれ出すと、亡くなった方を悪く言う気か!とか怒られちゃいそうです。
けどまあ私個人的にはイギリス王室への恨みとかはないので、あくまで知識が偏ってるだけです…。そしてみんなが好きそうな王室ゴシップとか華麗な歴史は私の専門外なので、そういう話よりどちらかというと血なまぐさい方に偏ってます。不敬でごめんなさいって最初に謝罪しときます。
おまけにアメリカの忠誠の誓いと日本でも有名な国歌斉唱のあのポーズについても書いてます。
一神教における誓いとは神様との契約である
まず最初に答えを書いておくと、忠誠の誓い…だけでなく、一神教の人たちの言う「誓い」は神様との契約です。勿論みんなが信心深いわけじゃないので神様なんて信じないって人もいるかと思いますが、そういう人たちも一神教の国にいたらこのロジックを前提にしてる。
前に黄禍論のとこでも書いたけども、日本人の多くは道徳や善悪などを道徳の授業や家族のつながりから学びますが、これらは必ずしも宗教・神様と関連してません。経典にあるからお年寄りを大切にするわけじゃないってこと。これはアジア圏の多くの国も多分同じ。
一方で一神教の多くの国は、道徳も正義も神様との対話を通して学びます。キリスト教徒なら聖書の教えから道徳や生き方を学ぶ。善悪も正義も生き方も宗教がベースにある。
なので一神教の価値観では信じる神様がいないということは道徳も生き方の基盤も常識も学んでいないと同じ意味になります。何か起きた時に「神に誓う」こともないのだから、正義や倫理も持っていない。ルールから外れたことも悪いとすら思わない。だってそんな概念がないんだから。という感じ。
だから過去には欧米でアジア人は野蛮で道徳心のない生き物として迫害されたわけ。――というのは黄禍論の理由のひとつでしたが、これは海外へ行ったら「無神論者です」って言っちゃ駄目って理由でもあります。
お葬式を仏教スタイルでやるほとんどの日本人も、実はお経の書かれてる経本は法事の時しか見たことないって人がほとんどかと思います。読んでも意味わからないとかもある。そこから道徳とか学ぶのはお坊さんの説教聞く時くらい。けど一神教の信者は自分たちが経典で善悪や道徳を学んでるので、仏教徒や他の宗教の人も同じように善悪を学んでるって思ってる。だから誤解させとけと。笑。
そして向こうが誤解するように、こちらからもこの一神教の神様との契約の感覚は理解が難しい。掛け持ち信仰なんて言葉もあるように元々いろんな神様が共存してるし、そもそも日本人のほとんどがあまり信心深くないってのもあって神様との契約の重みも分かりづらい。
重みってどのくらいって?
基本的に神様に誓ったらその誓いは一生涯有効です。契約なんだから当然。
女王が96歳なんて高齢になって亡くなる2日前まで首相任命したり仕事してたのも、即位の際に「神の下で」国に仕えるって聖書に誓いを立てたからで、途中リタイヤするのは神様との誓いを破ることにもなるからできなかった。それだけ神様の下での誓いは一生物の大きな意味があります。
1953年 イギリス女王の戴冠式の誓い
The Queen’s Coronation Oath, 1953
https://www.royal.uk/coronation-oath-2-june-1953
The things which I have here before promised, I will perform and keep. So help me God.
Her Majesty The Queen
そこまで大事なの?って、聞いてもまだやっぱり実感できる気がしないと思いますが。だって日本人が神様に誓う機会は結婚式での偽神父への誓いくらいだからさ、なんちゃってだし。こらこら。心願成就するまで好きなものを断つとかの断ち物の誓いもあるけど、日本の宗教の誓いってそういう即物的で期間限定が多い気が…。
とは言っても一神教の人たちも人間なので、神様に誓ったら一生だって思ってもやっぱり達成できる自信がなかったりするわけで。有名なのは結婚。
キリスト教の、特にカトリックの国だと離婚も認めてなかったり難しかったりするので、一度神様に誓って結婚したら破れない。けど病める時も健やかなる時も一人と添い遂げる自信がない――どうしよう。で、契約しなければいいんだ。よし事実婚!みたいなやつ。
離婚しないように神様に誓わせてんのに、誓い破るの駄目だから誓わないって本末転倒じゃんかよ!
結婚せずに子作りとかも婚前交渉じゃないのかとかいろいろ思うところはありますが、その辺も信仰のあつい一神教の人たちにとっては破ることは罪悪感の元になるわけで、回避の弁解みたいなロジックがあったりするんだよね。民事婚はしたけど宗教婚はしてない(から法的には結婚してるけども神様の前では誓ってない)みたいな。
こういうそこまで理屈つける意味分からないってところも、彼らにとっては聖書の教えにある正義をできるだけ守りたいって価値観に添ってるからこそなわけで。そこまでするほど神様の誓いが大事なの。
アイルランド独立戦争・内戦と忠誠の誓い
さて『誓い』がどれほど大事かの例として、イギリス女王の追悼としては不適切極まりないアイルランドを挙げてしまいます。
知らない人にざっと背景を説明しとくと、アイルランドはかつてイギリスの植民地で、日本の教科書にも載ってる有名な話としてはジャガイモ飢饉で人口が半減して生き延びるためアメリカや海外へ逃げて行ったり散々な目に遭ってきました。
そして今から100年くらい前にもうマジ無理って共和国化を求めて独立戦争を起こします。
女王はこの当時はまだ即位どころか生まれてもいませんでしたけど、何代か前の国王ジョージ5世がアイルランドも統治していたわけで。このジョージ5世と言ったら、君主の男系の子供と孫だけが王子・王女になれるとかの特許状を出した人ってイギリス王室ゴシップでは最近も名前を見かけました。女王が亡くなって曾孫の称号がどうなるかとかさ。
しかし下で書いてますが、お隣の国では彼の存在が内戦の一因にもなってたりします。その辺の温度差が、今回の女王の死去もアイルランドでは祝福されてしまったり――につながる一端かなと。その後の北アイルランド紛争とかの頃には女王も現役だったりとまあいろいろ深いつながりがあるのは事実。
一応2011年に女王がアイルランドを公式訪問した際には過去の行いの謝罪に独立戦争に関連した場所なども回ったりもしてますが。その辺は映画『Michael Collins(マイケル・コリンズ)』の中ほどにも書きましたけど。
さてアイルランドの話に戻ると、独立戦争は停戦となり、英愛条約の締結条件で揉めて、アイルランドは今度は内戦になります。
何が揉めたかって?
イギリスはアイルランドを共和国として手放したくなかった。だから共和国でなく自由国として自治権をもつことを認めるって妥協案を出した。けどそれだとイギリスの自治領なので、イギリス国王に忠誠を誓う部分はそのまま。それが嫌で内戦突入ですよ。まあ実際は北アイルランドはそのままイギリス領とかの他の問題もあったからだけど。
国王に忠誠誓うのが嫌で内戦!どれだけイギリス国王が嫌いなんだよって。
圧政に飢饉にって何百年もひどい目に遭ってきた歴史からしたら当然かもですが、「忠誠を誓う」ごときが嫌で(ごときとかいうな)身内同士で殺し合いの内戦するのか?もしや誓いに裏の意味があるのかなって、昔調べたのが最初に書いた話です。調べたって知り合いのアイルランド人に聞いただけですけども。
そしたら彼は「そのままの意味」って言ってた。共和国を求めて神の下に忠誠を誓って戦争を始めたから、覆すことは神様との誓いを破ることである。両者に忠誠を誓うことはできないって意味だと。
じゃあその誓いの内容とは?
独立戦争に先駆けてアイルランドでは暫定議会が共和国を宣言するわけですが、そこで知識と能力をかけて信仰のもとに共和国のために戦うことを誓いますって宣言してます。
そして戦った人たちが『Irish Republican Army=アイルランド共和(国)軍』でIRAですが、この時代のIRAは共和国のために戦った英雄です。それが後にアイルランドは無事に共和国となり、派生した人たちが同じ名前名乗って北アイルランドも取り戻そうって統一化のために一般人も巻き込むテロとか起こすようになって、今はテロ組織の方が有名になってますが。その辺も『Peaky Blinders: Series5(ピーキー・ブラインダーズ: シーズン5)』の四角で囲った脱線コーナーに書いてます。
Dail Eireann debate -Wednesday, 20 Aug 1919
https://www.oireachtas.ie/en/debates/debate/dail/1919-08-20/12/
I, A.B., do solemnly swear (or affirm) that I do not and shall not yield a voluntary support to any pretended Government, authority or power within Ireland hostile and inimical thereto, and I do further swear (or affirm) that to the best of my knowledge and ability I will support and defend the Irish Republic and the Government of the Irish Republic, which is Dail Eireann, against all enemies, foreign and domestic, and I will bear true faith and allegiance to the same, and that I take this obligation freely without any mental reservation or purpose of evasion, so help me, God.
私○○は、アイルランド内のいかなる政府、当局、または勢力に対して敵対的かつ敵対的であるかのように見せかけた政府、権威、または権力に対して自発的な支援を提供しないこと、また提供しないことを厳粛に誓います (または断言します)。 私の知識と能力を最大限に発揮して、アイルランド共和国とアイルランド共和国政府 (Dail Eireann) を国内外のすべての敵から支援し、防衛します。真の信仰と忠誠を誓います。 同じこと、そして私はこの義務を精神的な留保や回避の目的なしに自由に引き受けているので、助けてください、神様。
いずれも手抜きして機械翻訳なんで変なとこありますが。上は共和国のために独立戦争に参加した人たちの共和国への忠誠なので、共和国のために尽くす文言になっている。対して下の自由国は自治権を与えられただけなので、イギリスのコモンウェルスの一員としてイギリスの国王ジョージ5世とかに忠誠を誓うってフレーズが入ってる。
Dail Eireann debate -Tuesday, 3 Oct 1922
https://www.oireachtas.ie/en/debates/debate/dail/1922-10-03/20/
I, …, do solemnly swear true faith and allegiance to the Constitution of the Irish Free State as by law established, and that I will be faithful to H.M. King George V., his heirs and successors by law in virtue of the common citizenship of Ireland with Great Britain and her adherence to the membership of the group of nations forming the British Commonwealth of Nations.
私○○は、法律によって制定されたアイルランド自由国の憲法に対する真の信仰と忠誠を厳粛に誓います。また、アイルランドがイギリスと共通の市民権を持ち、イギリス連邦を形成する国家群の一員であることを理由に、国王ジョージ5世およびその相続人ならびに後継者に忠実であることを誓います。
イギリス国王に忠誠誓うのが嫌だ!→内戦!はまあ間違ってはいませんが、正しくは「神の名のもとに共和国のために忠誠を誓います」っていったのに、やっぱ自由国になりましたで「自由国としてイギリス国王に忠誠誓います」は約束破りじゃふざけんなってこと。「true faith and allegiance/真の信仰と忠誠」の対象が変わってるってこと。
歴史的には、そこで日和った『国王に忠誠誓っていいよ派(条約賛成派)』と、『国王に忠誠なんて誓えねーよ派(反条約派)』に分裂してアイルランドは内戦になって、誓えねーよ派が負けたわけですが、でもその後に誓えねーよ派の政治家が大統領になって地道に法律変えたりして、誓わなくてもよくした結果、自治領である自由国から現在の共和国になりました。例のごとく大雑把な説明ですけどここマジです。
Constitution (Removal of Oath) Act , 1933
https://www.oireachtas.ie/en/bills/bill/1932/2/
The Bill has been signed into law by the President.
この法案は、大統領によって署名されて成立した。
※タイトルに『憲法(宣誓の解除)』ってあるように、その部分を後に当時のアイルランド大統領のエイモン・デ・ヴァレラ(Eamon de Valera)さんが削除しました。忠誠なんて誓えねー派の政治家で、映画『Michael Collins(マイケル・コリンズ)』では悪役扱いだった人です…。
事実がそんな経緯なので。
フィクションでも、アイルランドのこの時代を扱った歴史映画やドラマでは、この誓いの件でこじれる流れは必ず絶対出てくる。超重要だから。
『The Wind That Shakes The Barley』
共和国への誓いシーン自由国になって国王に忠誠を誓うよってフィルム見てるシーン
そして内戦へ
映画『The Wind That Shakes The Barley(麦の穂をゆらす風)』でも、最初はイギリスで医者になろうとしてた主人公も、アイルランド共和国への忠誠の誓いを宣言して武器を持って国のために戦い、後にはその誓いを貫くか、自由国を選ぶかで兄弟とも仲違いする。
アイルランドはカトリックの国で信心深い人が多いのもありますが、共和国のために立てた誓いを守るべくイギリスと戦い、更に身内・仲間とも戦った。いかに『忠誠の誓い』が大事かが分かったと思います。ごときとか言っちゃいけない。
それを踏まえると、リアル・フィクション共に欧米の裁判シーンとかでよく見る(聖書に片手を置いて)もう片手をあげて「神の名のもとに真実を語ります」って宣誓証言がどれだけ重いかもわかるでしょうか。偽証すると、ただ嘘ついたってだけでなく、神様との誓いを破ったって二重の意味で重罪だったりもする。

Sworn testimony
– Do you swear that you will tell the truth, the whole truth, and nothing but the truth, so help you God?
– I do.
※これはアメリカの。質問に答える形式になってる。宣誓証言は国や州によっても文言が違ったりするそうで、上の字幕とテキストのも微妙に違うし、いろんなバージョンがある。聖書の代わりにコーラン(クルアーン)だったり、一神教徒じゃない人用に「swear/誓う」じゃなくて「affirm/断言する」って言い換えがあったりとかも。
それからここでイギリス女王の話に戻っちゃうのはまた不敬ですけども、歴史的にはこういう風に植民地の王としての立場から軋轢があったりもしましたが、個人としては即位の際に立てた誓いをずっと守り通して96歳で亡くなるまでの生涯貫いたってのは、女王もやっぱり信心深いすごい人なんだと思います。
アメリカの忠誠の誓い…とおまけの日本の話
さて物騒じゃない例としてアメリカの忠誠の誓いにも触れておきます。
アメリカ国民は全て神の名のもとにアメリカ国旗と共和国に忠誠を誓ってる(ハズ)だそうな。移民がアメリカ国民になる=市民権を取る際にも、それまでいた国への忠誠を放棄してアメリカに忠誠を誓う宣誓をすることも義務付けられています。
アメリカの忠誠の誓いとポーズの規定
The Pledge of Allegiance
§4. Pledge of allegiance to the flag; manner of delivery
The Pledge of Allegiance to the Flag: “I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.”, should be rendered by standing at attention facing the flag with the right hand over the heart. When not in uniform men should remove any non-religious headdress with their right hand and hold it at the left shoulder, the hand being over the heart. Persons in uniform should remain silent, face the flag, and render the military salute. Members of the Armed Forces not in uniform and veterans may render the military salute in the manner provided for persons in uniform.
旗への忠誠の誓い:「私は、アメリカ合衆国の旗と、それが象徴する共和国、すなわち神の下にあり、すべての人に自由と正義をもたらす、分割不可能な 1 つの国家に忠誠を誓う」と表現する必要があります。 右手をハートの上に置き、旗に向かって注意して立つことによって。 制服を着ていないとき、男性は右手で非宗教的な頭飾りを外し、心臓の上に置いて左肩に持ってください. 制服を着た人は黙って旗に向かい、軍の敬礼をしなければなりません。 制服を着ていない軍隊のメンバーと退役軍人は、制服を着ている人に提供されている方法で軍の敬礼をすることができます。
国旗見て宣誓の文言言って胸に手を当てるポーズして忠誠を誓う――までがセット。
日本の国歌や国旗の話と同じくこういうのも強制すんなって議論があったりしてるらしいけど、学校でも習うらしい。
『The Pretender S02E21』
アメドラでもたまにやってるシーンがある。
The Pledge of Allegiance
I pledge allegiance to the flag, of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.
ともあれこれが前提です。
アメリカ国民は全員、神の名のもとに国家に忠誠誓ってる――ハズ。
その上で、アメリカの国歌斉唱の際とかでも同じく胸に手を当てるポーズしてるの見たことあると思いますが、あれはその忠誠を示してます。国歌斉唱のあのポーズも上同様、アメリカ憲法で規定されてます。昔は右手を斜め前に上げる『ベラミー式敬礼』ってやつだったらしいがヒトラーのアレにそっくりだからって今のスタイルになったってうちの友達のアメリカ人が言ってた。
そしてただの永住者はアメリカに忠誠誓ってないのでやらんでいいそうな。
対して仏教や神道など日本の一般的な宗教は一神教じゃないし、日本の憲法は神の名のもとに何かを誓うようになってません。それは上で書いた道徳と宗教が直結してないってのにもつながるけど。政教分離をちゃんと守ってるからか?
故に日本人は(神の名において)国家にも忠誠は誓わないので、そういう宣誓もありません。日本の国歌斉唱でアメリカのポーズを真似してる人たちをたまに見ますけど、意地悪な言い方しちゃうと日本の国歌を聞きながら神の名の下に日本への忠誠を放棄してアメリカに忠誠を誓ってることになるので、厳密にはおかしかったりします。
まあカッコよく見えて真似してるんだろうけど、一神教の(信心深い)人たちはこの誓いのために命かけてるわけで、神様との契約の重さを考えると安易に真似するのは冒涜にもなるんではと。
日本国憲法前文
https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/174/je
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.
アイルランドが揉めたコモンウェルスの国王への忠誠のように、通常の立憲君主制では憲法や宣誓に国王への忠誠の誓いが含まれていたりします。でも日本の憲法だと、戦前までの『大日本帝国憲法』には天皇が大日本帝国を統治するって真っ先に書いてはあったけれど、国民(当時は日本臣民)が天皇に忠誠を誓う文言はなかった。『臣民』に君主に支配されて君主への忠誠を誓う者って意味があるって解釈はできるけど。
更に一神教の多くの国だと、神の下にとか信仰によってとかの文言もあったりしていますが、日本は戦前の憲法にも現行の物にも書かれていない。その辺が特徴ではあります。
そして現在の日本国憲法下では天皇は象徴なので、もちろん忠誠は誓いません。国民主権です。むしろ日本の憲法の誓いは国家の名誉にかかってる?とすると日本にとっては何よりも国家の名誉の方が大事とか?世間体気にする国民性に相応しいかもね…。