Munich ミュンヘン [2005年アメリカ映画] ネタバレ感想

紆余曲折を経て1年延長した東京オリンピックがようやく開幕しました!というわけで今回は1972年夏のミュンヘンオリンピックでのテロ事件を元に作られた『Munich(ミュンヘン)』です。オリンピックつながりで物騒な映画を選ぶな!って怒られそうですが…、今回の開会式でも元になった事件の被害者を追悼していました。事件から49年経って初めてのことだったようで、海外では(おそらく日本より大きく)取り上げられてました。それの裏の意味は一番下に書いたけども…。

BBCの日本語翻訳記事があったので紹介。

【東京五輪】 開会式でミュンヘン大会のイスラエル人犠牲者を追悼
https://www.bbc.com/japanese/57951366

東京オリンピックの開会式が23日夜、東京の新国立競技場であり、1972年9月のミュンヘン五輪で殺害されたイスラエル選手・コーチ11人を追悼する黙祷(もくとう)が行われた。五輪開会式でミュンヘン大会の犠牲者を追悼するのは初めて。

 
ただ私はオリンピックに合わせたわけではなくて、『Quantum of Solace(慰めの報酬)』のとこで(出てくる役者とキャラが被ってたので)この映画を話題にしたとこからの延長なのであります…。

007 Quantum of Solace(慰めの報酬)をテキトーに語る

それにしても東京オリンピック、新型コロナウイルスの影響は言わずもがな、セクハラ発言で会長辞任に、天皇陛下の懸念とかいろいろあって、数日前の作曲家や演出家の辞任とか、スポーツ以外の部分でのニュースに事欠かなかったので、個人的には何とか無事に開催してちょっとほっとしてます。

しかし私も、コロナ前はオリンピック反対派(ていうかマジでするの?派)でした。笑。だって夏の東京なんて、猛暑酷暑激暑に蒸し蒸しで気象庁が熱中症に注意して日中は外に出るなって言ってる時期じゃん。家にいてもお年寄りとか亡くなってる時期よ。そんな時に世界中の人を集めて炎天下でスポーツなんて酔狂な、と。当時は観客も集めるって言ってたから、見てる人も危険かなってのもあったし。

それにもうみなさん忘れてるかと思いますが、コロナ前の都内は混雑がひどかった。電車は朝晩のラッシュアワーはギュウギュウだったし日中も混雑してたし、海外からの観光客も増えててお店も観光地もどこも人だらけ!こんなところに更に世界からオリンピック見に来る人たち受け入れるとか無理では…と思ってました。

まあパンデミックで海外からの観客は来れないし、国内組も受け入れず無観客とか言ってるので、混雑懸念はなくなって暑さだけの問題になってますが。それでも今年は猛暑だそうなので、選手もボランティアの人たちも暑い中気を付けてほしいです。始まったからには無事に終わってほしいと!

キャンセル・カルチャー

そして脱線ついでに作曲家とかの辞任の話も書いてみると。海外でも何かと炎上してる『キャンセル・カルチャー』が日本にも正式に上陸したなって感じでした。過去を掘られて次々と辞任って笑えないけども。

これについてもいずれ書きたいところはありますが、欧米では20年前30年前の学生時代に黒塗りした件やセクハラをいい年になって掘り起こされて謝罪してる人たちがいたりする昨今です。子供の頃は扮装で黒塗りしても問題なかったのにって(実際そういう時代だったので客観的には事実なんでしょうが)言っちゃった人の番組が打ち切りになったり容赦ない。

このキャンセル・カルチャーは基本的に時効はない上に、当時の価値観ではセーフだったことも今の価値観で断罪されるのです。軽いものは謝罪で終わってるけど、中にはキャリアが終わっちゃった人もいるので、場合によってはアメリカでもやりすぎって言ってる人もいたりします。

たまに有名な役者さんが、大昔の自分の代表作が今の価値観に合わなくなって「ほんとはやりたくなかった」とか「ああいうのは気に入らなかった」って後出し否定したりするのも、この時効がないからこその予防線もあるんでは、なんて思ったりもして。

今の価値観では合わなくても、そういう役のおかげで今の地位があるのにとちょっとモヤモヤしたりもしますが、「お前がああいう役をやったから偏見や差別が消えない」とか叩かれたり、場合によってはキャリアも吹き飛ぶんだから仕方ないのかなと。まあいずれにしても犯罪告白とかは一発アウトですよ。

実際の事件とか

さて改めて今回の映画の話にうつりますが、先にも書いたように1972年夏のミュンヘンオリンピックでの事件をもとにした映画。スピルバーグ監督作ですが、『*batteries not included ニューヨーク東8番街の奇跡』とかかわいい方じゃなくてシリアスな方のシリーズです。時間も長くて163分(約2時間40分)もある。

*batteries not included ニューヨーク東8番街の奇跡 今見てもかわいいUFOとネタバレ感想

どーでもいいところとしては、前にアメリカ人とこの映画の話をしようとしてタイトル言っても通じなかった思い出があります。私の発音が悪いのか?って思ってたら、ドイツの「ミュンヘン」のことを英語じゃ「ミュンヘン」と言わないってだけでした。「Munich」と書いて「ムニーク」とか「ミュニーク」みたいに発音する。全然違いすぎてわからんて。「ウィーン」も英語だと「Vienna」で「ヴィエナ」って、こっちは割と有名かなと。

どうしてかというと日本語はできるだけ現地の発音に近づけてカタカナ語で表現するけど、英語は何でも英語読みするから――なんて言おうものなら、イギリスとかトルコとかオランダとかドイツから何言ってんのって突っ込まれそうですので、その説は正しくないですと否定します。※でも「ミュンヘン」はドイツ語地名のカタカナ読みです。アクセントの位置とか音とかかけ離れてるけど…。

原語ともかけ離れた日本語の国名地名の呼び方は、大体南蛮貿易の頃に由来してるようです。古いうえにポルトガル語から来てたりでなんだそれみたいな。なので近代にできた国名はちゃんとそのままカタカナだったり。

しかし気づいてからもついつい「ミュンヘン」って言っちゃってたら、先のアメリカ人も合わせて「ミュンヘン」って言ってくれるようになったのでした。

 
 
……と、いう私のあほ話は置いといてここからは真面目な話に行きます。つってもこの事件とかは私の生まれる前の出来事なので昔習った世界史とかの受け売りですが。

実際の事件は1972年9月5日、ミュンヘンオリンピックの選手村にパレスチナ系『BSO(Black September Organization,黒い九月)』ってテロ組織の活動員8名が潜入し、イスラエル選手11人を人質にしたというものです(人質を取った時点で選手2名が亡くなり、生存者は9名)。要求はイスラエルの刑務所にいるパレスチナ囚人234名などの解放でした。

そもそもの背景として第二次大戦後のイスラエル建国から、それに反対する近隣アラブ諸国などとの中東戦争が続いていたさなかの事件でした。この事件の翌年1973年には第四次中東戦争を経て日本でもトイレットペーパーを買いあさる羽目になった石油危機が起こっています。

 
イスラエルはテロとの交渉には応じず自国の治安部隊を現場に送ると告げますが、西ドイツ(当時)がそれを拒み、穏便に人質を身代金などと引き換えしようとして犯人側に拒否されます。続いて当時の西ドイツには特殊部隊はなかったので警察隊に狙撃させるしかないと選手村に近づけますが、オリンピックで世界中のマスコミが集まっていた中の出来事だけに、一部始終が報道されていて、犯人側にも筒抜けだったので失敗します。

次に犯人側はカイロへ逃れるための飛行機を要求します。西ドイツは要求を飲んだふりでバスとヘリコプターを用意し、選手村から犯人たちがそれで飛行場へ移動し、乗り込むまでの移動区間に狙撃する計画を立てました。

しかし空港でヘリから飛行機へ乗り移る際に、任務にあたっていた警察が、このままだと自分たちも人質になると逃亡し、飛行機にはパイロットも誰もいなかった。そこでおかしいと気づいた犯人側がヘリコプターへ戻ろうとしたところで管制塔で狙っていた警察が狙撃し、銃撃戦になります。

つながれてヘリに乗せられていたイスラエル選手9名はヤケを起こした犯人に銃で撃たれ手榴弾を投げ込まれて全滅します。犯人側は警察も殺害した後に3人を残して5人が撃たれます。

これがミュンヘン事件。西ドイツの失策からイスラエル選手と自国の警察を犠牲にしてしまった。

しかも生き残った犯人3名は、事件翌月1972年10月29日にやはり『BSO(黒い九月)』が起こした『ルフトハンザ航空615便ハイジャック事件』の人質交換でリビアに亡命して自由の身になってます。

※1977年10月13日にやはりパレスチナ系テロ組織により『ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件』っていうのが起きていますが、これはまた別件です。

ハイジャックが成功して犯人たちがリビアの空港へ辿り着くとみんな喜んで迎え入れ、記者会見が世界中継されました。その後は祝賀会も開かれ、死んだ犯人たち5名も英雄として陸軍葬の栄誉を受け、大勢の国民が葬儀を見送ったそうです。

※イスラエルは中東のアラブ諸国・イランなどとは仲が良くないので、ミュンヘン事件においても、ほとんどの中東諸国はパレスチナ系テロリスト側を支持しました。ただどの国が敵対してるかというと、イラン、シリア、リビア、レバノンみたいな完全対立の国ばかりでなく、パレスチナ難民が多くいるヨルダンはPLOを抱えつつもイスラエルと平和条約を結んでいたり、同じく平和条約締結のエジプトとトルコは政権によって変わったりと流動的な部分もあったりで複雑です。

 
最近の報道だと、西ドイツは事件の対処が悪かっただけでなく、ミュンヘン事件は事件の三週間前には西ドイツの当局にも計画が伝わっていたものの対処できずに起きた、なんて話も出ています。ハイジャック事件についても、もしも人質を奪還しようというBSO側の攻撃があったら穏便に済ませようと初めから逃げ腰だったとか。

後手後手な対応だったのも、ナチスのイメージを払拭するため戦後はテロに対応できる特殊部隊も持たなかったこと、事故後も派手な武力衝突を避けようとしたこと、第二次大戦中にユダヤ系をホロコーストに送ったことでイスラエルに引け目があったりでなるべく無事に取り返したいと人質の奪還に苦慮したこと、一方では激化していた中東紛争に巻き込まれたくなくて及び腰だったこと…、いろいろな要因があったようです。

犯人側が西ドイツでイスラエル人を人質に取ったのもその辺の複雑な事情を熟知していたから。更にルフトハンザ機のハイジャック事件に至っては実行犯も「捕まっても西ドイツは死刑がない」とか舐めてかかってた。実際西ドイツは即座に人質交換を了承し、犯人を解放&亡命させちゃったし…。

イスラエルもミュンヘン事件の数日後にはパレスチナ系テロ組織の本拠地国を空爆したりと報復はしたものの、(ふがいない西ドイツを見て、法に頼ってたらダメだと平和的解決を捨てて…)、報復としてモサドの暗殺隊を仕向けます。これが『Operation “Wrath of God”(神の怒り作戦)』というもので、今回の映画はこのオペレーションに関わった主人公たちの物語。

 
暗殺者自体の行動は正確には記録にも残っていませんが、彼らのメンバーであるとされるアメリカ在住のJuval Avivという人物が実在していて、主人公の名前Avnerもこの人物に由来しています。※彼が本当に暗殺者なのかは諸説ある。

それ以外にも実在の人物は実名で登場してます。最初にオペレーションを許可してたおばあちゃんは実際にもそれを実行したイスラエル初の女性首相のゴルダ・メイア首相。ミュンヘン事件の加害者たちも名前そのまま出てくるし、被害者名とかも実在のまま。

ミュンヘン事件の首謀者とされて映画で最後に追ってたアリ・ハッサン・サラメも実在の人物で、アメリカ人を狙わない代わりの保護の密約をCIAと結んでいたと(されている)のも史実通り。そのために結構派手に遊んでいたりで、何度かモサドに狙われるものの逃げてたのも史実。後にはメイア首相の暗殺未遂などにも関わって、映画の最後にちょっと書かれてたように映画の時代の後に女性モサドについに仕留められてます。

映画の話

さて、実在の事件の話を上に書きましたが、ほぼこの実際の話が映画に出てきます。けどドキュメンタリーじゃないので、話の筋はフィクションです。

オリンピックのテロを受けて首相が『神の怒り作戦』を命じ、妻が妊娠中でモサドだった主人公が任命される。彼は任務のために組織から存在を抹消されて、仲間たちと5人でテロに関わった11人を順に片づけていく。

表向きには国は関わっていないので、自力で昔ドイツに住んでた縁の友達を頼って情報を得たり、フランス人の情報屋と彼のファミリーに出会ったりして、いずれの政府とも取引しないという彼らとの約束を守り取引することで、最初は順調に進むものの、敵側も意図に気付いて報復するようになる。

そうするうちに情報屋は主人公自身の情報を敵対者に依頼されたと打ち明ける。最後の敵はCIAとつるんでると教えられ、実際暗殺しようとするとアメリカ人に妨害されたり。

そして仲間がやられ、主人公はだんだん追い詰められていく。その間も両者の報復やテロや紛争は続き(この辺も実際の事件に基づいてる)、また作戦通りに相手を倒しても組織は次の代表を任命し、より先鋭化していって、争いには終わりがない。

最後の仕事に失敗し、国すらも信じられなくなった主人公は妻子の待つアメリカで暮らすものの、まだ命を狙われる恐怖の中にいると。彼の悪夢の中に実際のミュンヘン事件を再現したものが出てきたりもしていて、最後に人質が全滅した経過も断片で語られてます。

バッドエンドとか後味悪い話が好きな私的には、奥さんとヤってるとこで悪夢見て叫んでる主人公の後ろに敵が立っていてほしかったけど(ホラー的演出ともいう)、そんなことはなくきれいに(?)終わってるのはハリウッド映画です。
 

『Munich』※何かと対比構造になってる。
Munich

 
その他もハリウッドならではと思った点は。

主人公たちは情報を受けて、あちこちの国をまたがって敵を暗殺していくので、イスラエルからイタリアへ向かい、続いてフランス、ベルギー、ロンドン、ギリシャ、ベイルート、スペイン、アメリカといろんな場所に移動してます。

その際に映画を見ている人のみんながヨーロッパの風景を知っているわけでもないし、移動が分かりやすいようにという配慮なのか、イタリア編は画面の隅にイタリアの旗、フランスへ行ったら最初に出会うシーンでは相手がエッフェル塔を背に立ってるとか、ロンドンは後ろに二階建てバスが映ってたり、最後のアメリカはマンハッタンの高層ビル群と、観光名所巡りみたいになってて分かりやすい。笑。

でもギリシャとかは私は分からなくて、何が特徴なんだろって画面探してしまったよ…。ベルギーは水辺?とか。←違う楽しみ方になってる。

それと同時に固有名詞にも配慮されています。中東問題は複雑で、いろんな組織や人が出てくるけど、それぞれの名前や組織の説明も台詞でされてます。これ気になると説明してるなーって分かっちゃうけど、まあ流れ的に自然な感じではある。

歴史物って偉人の名前や組織名とか固有名詞を「知ってて当然」的に作られているのも多くて、背景を全然知らない人には「こいつ誰?」「なんか敵と敵が戦ってるなー」くらいになったりしがちですが、この映画は最低限の説明があると。

 
あとはベタだけど、妊婦の妻と暗殺仕事みたいな生死、大きなキッチンを前に終わったらこんなキッチンがいいなって言ってる男たちとキッチンでかすぎて使いづらいって言ってる妻とか、何かと対比が使われてる。

同じ場所で寝ることになった『PLO(Palestine Liberation Organization,パレスチナ解放機構)』の戦士と話をするシーンでも、国を手に入れたイスラエルと、イスラエル(≒シオニスト)に奪われた土地を取り戻そうと戦い続ける彼らの対比になってたり。

そういうわけで、史実のところで書いたようにアラブ諸国などイスラエル周辺国ではパレスチナ側が(西側諸国にはテロリストと呼ばれても)英雄であり、イスラエルは不当にパレスチナを占拠した侵略者になるわけですが、この映画は彼ら側から見た意見も入ってる。だからこそテロリストは絶対許せないイスラエル側の人からはパレスチナの肩持つなって批判も出たりしたそう。

実際も西側から見るとパレスチナ側がテロリストでイスラエルは正義みたいに報道されますが(?)、イスラエル側のモサドも一般人も巻き込んで報復してたりで、中東に限らず死傷者を出してます。なので巻き込まれた被害者からすれば、どっちが(も)テロリストじゃ!って面もある。

民間人を巻き込んだ空爆などではヨーロッパ諸国もイスラエルに抗議してることもあるし。歴史は見る側や時代によっても変わるから難しいところもあります。

いずれにしても時代が違うって言っても、テロされた報復に相手を殺す宣告して実行しちゃう辺りは、日本の常識とは違いすぎます。日本の裁判が野蛮とか言われるけどさ、そもそも法を無視してるじゃんよーみたいな。※一応テロ対策法みたいなのに基づいて相手を殺害してはいる…。

  

オリンピックと中東問題

さて最後にオリンピックの話に戻ると、今年の東京オリンピックでは、パレスチナ問題に配慮してイスラエル選手と対戦する可能性のあるアルジェリアの選手が棄権したなんてニュースも出てきました。今回は選手の自発的な選択みたいですが、過去にも似たことはあったり、イランやエジプトが選手に圧力をかけたことも公になっていたりします。イスラエル選手との握手を拒んで大会側のペナルティ受けた人もいたり。

理由は散々書いてるように中東アラブ圏の多くの国にとっては、イスラエルは不法にパレスチナを占拠したやつらで国として認めてないし敵だから。なのでスポーツ大会でスポーツマンシップにのっとって競争するに値する相手ではないのです。近代化が進んで民族対立も減ってきたりはしてるけれど、宗教や聖地が絡んだイスラエルと周辺国との対立は、この事件から50年近く過ぎてもまだこじれたままです。

箱に入ってゴーンさんがレバノンに逃げた時のニュースでも言われていたけれど、イスラエルへ入国した記録があるだけで入国させてくれない、罪になる国もあります。逆にイラクに行くとアメリカの入国審査が厳しくなるとかもありますが。

その昔、アルカイダのテロに遭った日本人バックパッカーも、クリスチャンだった上にパスポートにイスラエルの出入国歴があり、ヨルダン経由でイラクに向かったことがスパイと疑われ殺されるまで行ってしまった理由のひとつとも言われていました。

私も含めて日本人には中東って遠いし宗教観が全然違って理解できない面も多いから、こちらの感覚で軽く考えてしまうと思わぬことに巻き込まれる危険もあるのかなと。

なので、後から見るとふがいなく見えるけどハイジャックでミュンヘン事件の犯人をあっさり解放した西ドイツの対応は、恨みを買って狙われたくない、こじれた中東問題に関わり合いたくないって消極的な理由でしたが、人道支援はするけども深入りしないって、彼らのようなスタンスが第三国の対応としては正しいのかもと思ったりしました。

そしてそれらを踏まえて最初に書いた、今回のオリンピック開会式で事件後初めてミュンヘン事件の追悼をしたことを振り返ると。

今回はパンデミック中につき入国者も絞ってのオリンピックでしたが、イスラエル系のニュースによると何故か遺族が(事前にこの件を知らされていて)東京の開会式場で式典を見て感激していたそうです。なんで来れる&入れるんじゃ。※イスラエル国旗柄のマスクして観客席にいる遺族のニュース写真もあるので興味のある人はぐぐってみてね。

IOCのバッハ会長(ドイツ人)のポイント稼ぎって穿った意見も英語圏ではあったけども、笑、逆に被害者の遺族がずっと訴え続けてきたのに今までのオリンピックでどの国もこの事件に触れなかったのは、片方に肩入れしたくない、複雑な中東情勢に配慮してのあえてのスルーだったのかもと思ったりして。

実際アラブ諸国側はこの件を歓迎してないとか報道されたりしているし。追悼中にしゃがんで拒否してた選手もいたそうで。多分これは日本では報道されてないかと思いますが。

だからこそ今回海外で大きく報道されたのも、いろんな意味での「よくやったな日本」という感なのかなと…。