アメリカドラマで見るロックダウンの反対語と仲間たち

日本も非常事態宣言が解除されて徐々に仕事や学校に復帰している人が増えてきていますが、世界でも多くの国が自粛を緩和して経済活動を開始し始めているようです。ロックダウン緩和・解除のニュースもあちこちに出てきます。というわけで今回はこの単語と仲間の話。

英語のお勉強みたいになってますが、実のところは私と友達とのやり取りを長々書いただけだったり…。

 
さて、好きな俳優のドラマとか気に入ったシーンや映画はくり返し見てしまうタイプなので、外来語を聞くたびにその単語が使われてたドラマのシーンが浮かぶドラマ脳な私ですが、今回世界で連呼されてた「ロックダウン(lockdown)」も勿論、真っ先に好きな俳優のドラマのエピソードを思い浮かべました。

動詞で「lock down」として使われてる方が多いけど。

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というわけでその中のひとつを今回持ってきました。20年も前のドラマだよ。シチュエーションとしては、赤い方(世界一のハンサム)が、ジャンキーになり切って更生施設に潜入して人助けをする話なわけですが、白衣のお医者さんに「(施設で)拘束する同意書にサインして」って言われて、「拘束?閉じ込められるの嫌だよ」って言ってるところです。今見ても、いつ見てもカッコイイね。

『The Pretender S04E15』
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– It is a consent form empowering us to place you in lockdown.
Lockdown? I don’t like being locked up.

さてこれを見ながらのクイズです。「ロックダウンの反対語は?」さて、みなさん分かるでしょうか?←誰に話しかけてんですか。

画像に答えがあるじゃん、ダウンの逆だからアップでしょ、と言いたくなりますが、外れです。引っかけのためにわざわざこれが並んでるシーンを引っ張り出してきました。←アホです。ヒマ人です。

Lockdown? I don’t like being locked up.」って言い換えているってことは、これらは同じ仲間なわけです。クライムドラマを見ていると、この「ロックダウン」と「ロックアップ」はよく出てきます。

「ロックダウン」は封鎖の意味で、ドラマだと暴動や事件が起きて警察が街や道路を封鎖するのによく言ってる。このドラマの場合は、個人を拘束・監禁するのに使ってますが、今回の新型コロナウイルスの「ロックダウン」でも、街の封鎖の意味と共に個々の隔離(quarantine)的な意味でも使ってたりするので、両者のニュアンスが混じってるかもしれない。

後者「ロックアップ」は鍵をかけるとかって意味もありますが、クライムドラマだと大体は、(牢屋とかに)閉じ込められるとか、牢屋そのものを指してたり。この場合も(施設だけど)閉じ込められることを示してる。ある意味、隔離状態なので「ロックダウン」と言い換えがきくと。

ちなみに「ロックアウェイ(lock away)」もドラマでは閉じ込められ仲間でよく出てくるね。そんな単語が出てくるドラマばかり見てんなよって感じですが…。

 
さて、英語ではそんな感じなのですが、日本語というかカタカナの話をちょっとしてみると。

今回の新型コロナウイルスに関する対処では、日本は非常事態宣言は出したものの「ロックダウンはしていない」と言われています。そもそもロックダウンできる法律がないために「この言葉に当てはまる状況がない」とか説明されていました。英語でもこれを説明している記事があって「日本はロックダウンを実施する法的強制力がない(no legal power to enforce a lockdown)」とか書かれてました。

一方で、今回の日本の対処について「日本は、法的な強制はできなかったけれど、自発的なロックダウン(voluntary lockdown)で対処した」をしたと褒めている記事もありました。法律がなくて「ロックダウンできない」はずなのに「自発的にロックダウンした」って矛盾していますが、これは言葉の定義が違うから。

前者の記事や特に今回、日本で言われた「ロックダウン」は、「ロックダウン(都市封鎖)」とも日本のニュースに書かれるように、「(場合によっては罰則を含む)大規模な街封鎖とか国境・県境封鎖」みたいなものを指している。一方で後者は漠然とした「封鎖」一般をさしていて、「人」の行動も含まれている。

何言ってんだかややこしいけど、英語の「lockdown」は、大規模な国境や街の封鎖だけでなく、一般的な「封鎖・拘束」を示す名詞と動詞としても使われるので範囲が広い。上の画像みたいな、一部「lock up」と言い換えできる病院や刑務所とかセキュリティ上の隔離・拘束の意味もあったり、有事の際に学校やビルを封鎖するとかにも使う。

そういう意味では日本も英語の広義の「lockdown」はしてるんだけど、「都市封鎖」としての「ロックダウン」は日本の法律になくてできなかったので「日本はロックダウンはしていない」となる、と。

 
イギリス統治下のアイルランドの独立戦争を描いた、最近の私の一押しIRAドラマ『Resistance(Rebellion リベリオン: Series 2)』のDVDパケにも、「ロックダウン」は出てきてました。アメドラじゃなくてアイルランドドラマだけど、マジおすすめなのでみんな見てね!ただしバンバン撃ちまくり、死にまくりの鬱ドラマだけど。アイルランドの歴史ものだから…。

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この場合は、この当時ダブリン城が封鎖されていてイギリス側の許可がないと入れなかった説明として「ロックダウン」が使われてます。これらは日本語カタカナの「ロックダウン(都市封鎖)」が定義するのとほぼ同じオーソドックスな使い方。またドラマの中で牢屋に閉じ込められてるシーンでは「ロックアップ」って言ってました。

 
その他のロック(lock)仲間としては、「ロックオン(lockon)」はレーダーとかの標的を合わせて追いかけることで、日本語化もしてる。他にも「ロックアウト(lockout)」で(立ち入り禁止で)締め出される、とか、「ロックイン(lockin)」で閉じ込める・しまい込む、なんてのもあります。

これらはIT用語でも使われていて、「ロックアウト」はパスワード連続で間違えてログインできなくなった時に「ロックアウトされました」って言われたり、「ロックイン」は今使ってるソフトとかから乗り換えが難しいことを指してたり。

で、肝心のロックダウンの逆は?

今回の封鎖緩和の英語ニュースを見る限りだと、「reopen(再オープン)」とか、ロックダウンからの「exit(退出)」とか「lift(解除)」とかの単語はあったけど、直接の反対語はなんだろね?と私も迷ったので、ここはアメリカ人にストレートに聞きました。←長々脱線してないで最初にそれを書けよってツッコミはなしで。

さて答えです。

– What is the opposite of lockdown?
– It’s “open up”.

ロック・ダウンの逆だからロック・アップ……は惜しかった。ロックの反対がオープンで、更にダウンの反対がアップと、二重にひっくり返す必要があったと。

この単語もよくよく思い出すと、クライムドラマで閉じこもった犯人に「ドアを開けて出て来い」みたいなシーンでよく使ってる。「Open up! Police!」とかって警察やFBIがドアぶち破る時の台詞です。

RTÉ『Resistance E04』
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逆に閉じ込められてる人が「ここから出せ、開けろ」って使ってるのもある。この場合は、「ロックアップ」の対義語として使われてる。――と全てがドラマで完結する私。しかもガラの悪いやつばかり…。

『The Pretender S02E16』
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This could help open him up and bring him out of his silence.

まあ「オープンアップ」は「心を開く」「打ち解ける」の意味もあります。←ようやく普通にも使えそうなやつが出てきた。

答えが分かってからニュースを見るとちゃんと使ってた。

https://www.bbc.com/news/explainers-52575313
Coronavirus: How lockdown is being lifted across Europe

Germany has begun opening up: control of lifting the lockdown will now be in the hands of Germany’s 16 federal states.

https://www.reuters.com/article/health-coronavirus-safrica/safrica-to-open-up-economy-from-june-under-eased-lockdown-regulations-idUSL8N2DA59W
S.Africa to open up economy from June under eased lockdown regulations

※タイトル部分。

 
答えを教えてくれた友達はアメリカ人ですが、BBCも使ってるのでイギリスでも使うのでしょう。ということで余談。今回のもうひとつのキーワード「ステイホーム」はアメリカ英語です。

というのも、アメリカ人のこの友人は「Stay home」と言ってたけども、ヨーロッパの友達は「Stay at home」とatをつけて言ってたから。どちらが正しいのか聞いたら、アメリカ人は「私の方」って答えてたけど、笑、文法の差らしい。

Pretender: Season 1
ザ・プリテンダー 仮面の逃亡者

世界で一番のハンサム。※20年前のドラマです。

Resistance (Rebellion: Series 2)[HD DVD]

Netflixでも『Rebellion: Series 2(リベリオン シーズン2)』ってタイトルで配信されてるので、ぜひ見てね!