この注意書き見たら、今回は何の話を書く気だよ?って感じですが、日本のジオシティーズ終了に伴って、ふと個人サイトの終わりと共に廃れた文化について思い出したので書こうってのが今回の話です。といっても思い出したのはアメリカの方の話なので、日本の二次創作の晒しとかはないので安心してください。英語のサイトは大手だけ下の方で晒してるけど。
二次創作って日本の成人向けやBLも含めて基本は『誰と誰がくっついた』って恋愛ネタが多いけど、私はそもそも恋愛系はドラマとかフィクションのジャンルとしてもあまり興味がないので、残念ながら二次創作にも全く関心が向きません。が、一応の知識は持ってます。
一方で、そもそも二次創作とは何かってところからフツーの人は知らないと思いますが、ドラマや漫画やアニメなんかのフィクションが一次創作で、ファンによるそれのパロディが二次創作です。単純にキャラクターの似顔絵を描くファンアートだけでなくて、漫画も小説もゲーム化もいろいろある。ギャグマンガやパロディや物語の続きを書いてみたり、キャラ同士の恋愛ストーリーを作ったり、エロ漫画描いてみたり。男同士でくっつけたり。これはBL(ボーイズラブ)とか呼ばれてるやつね。昔は耽美系とか801って呼んでたやつ。同人誌とかネットでサイト作ったりとかで熱心に活動してるのは、大体がカップリングって恋愛ネタを作って盛り上がってる人たちだよね?←偏見。
※勿論、自分でイチからキャラクターや物語を作って普通の小説や漫画や、成人向けやらBLやら書いてる人もいます。そういう人たちは二次創作ではない。
そして私の学生時代から腐女子ってカテゴリの人はいました。受けとか責めとか言ってジャンプ漫画でカップリング作ってるような人とか。少女漫画があまり好きじゃない私にとあるニューヨーク舞台の少女漫画を「これ面白いよ、少女漫画が苦手な人も読めるから」って強引に貸してくれた人もいましたが、全部読んだけど「登場人物全員ホ〇かよ」という感想で終わったよ。
ちなみにこの「登場人物みんなホ〇かよ」的な不条理感は、昨今のLGBTに配慮してゲイキャラを捻じ込んでるアメドラ見ると思い出す感覚なので、日本の方が20年進んでる気がする。←テキトー。
Fanfiction (ファンフィクション)との遭遇…
さて日本のオタクの人たちを敵に回したいわけじゃないので日本の話はこの辺にしておきますが、アメリカにも二次創作はあります。少なくとも20年以上前からあった。あっちでは『Fanfiction (ファンフィクション)』て呼んでます。『Fan fiction』とも言う。略す時はfanficとか。大して変わってないが。そして大体はテキスト(小説)です。たまに絵を描いてる人もいるけど漫画は滅多にいない。というわけで、『ファンフィクション』は日本語に訳すと『二次創作小説』みたいな。
そして日本はエロとBLがメインストリームだと思いますが(言い切るな)、アメリカは男女の恋愛ネタが主流っぽい。私が好きなのがアメドラでアニメとかではないからジャンル差もあるかもしれないし、あえて探してるわけじゃないので、海の底にいろいろ潜んでる可能性もあるけども。好きなキャラと自分をくっつけてる夢小説とかいうカテゴリも見ない。まあ呟き程度ならSNSとかに掃くほど湧いてるね。
なんで知ってるかっていうのが私のアメドラ歴につながるわけですが、ハマったドラマが日本ではシーズン1で打ち切りになり、続きが気になって気になって、本国のファンサイトなどであらすじを探して彷徨ったからです。
日本のファンサイトって、純粋にドラマや役者が好きな人のサイトと、二次創作って住み分けができてると思いますが、海外って一緒が多い(かった)。登場人物紹介とエピソード、役者紹介やドラマのキャプチャ画像、感想なんかと並んで『ファンフィクション』コーナーがあるのよ。人気のドラマだとそんなサイトが腐るほどあった。大体が同じドラマの他のサイトとリンクでつながってる。その辺は日本の二次創作と一緒であろう。
こっちはドラマの続きが知りたくて英語圏のサイトを探してるのに(当時は翻訳サイト経由だったけども)、知らないキャラ(放映されてない部分)との恋愛ポエムとかいらないしーってうんざりしたけど、ほんと掘っても掘っても出てくるほどあった。アクションドラマのはずなのにお前らなんで恋愛ネタだらけなんだよ、みたいな。←暴言。
まあよくよく考えれば、登場人物紹介やあらすじとかは誰が書いても似たり寄ったりになるわけだし、放映されてる国からしたら特にいらないし、そっちは体裁を整えるためのおまけだったんでしょう。個人サイトまで作って活動したがる人たちは、英語圏でも二次創作にはまる人が多かった、と。普通にドラマや役者のファンは掲示板とかレビューサイトで感想書いて発散できるし。
勿論、普通に役者やドラマのファンとか、ドラマの内容を考察してるサイトとかもあったよ。少数派だったけど…。大体はそういうサイトにもファンフィクションコーナーがくっついてたけど…。
※今回の画像はweb.archive.orgから発掘してきた、geocities.comにあったアメリカの昔のドラマのファンサイトのメニューのひとつだけど、登場人物説明やエピソードの時系列や謎を真面目に考察してたり、役者がトーク番組に出た時のインタビューの書き起こしてくれてたり、ファンレターの送り先とか書いてある中に『Fan Fiction(ファンフィクション)』が混じってるという、当時のファンサイトのテンプレ通りのコンテンツ。
閉鎖して10年以上も経ってアジアの女に2002年のキャプチャを晒されてるとは思いもよらないであろう…。まあ今も生きてるサイトもあるんだけどそれは晒せないので。
Fanfiction (ファンフィクション)の内容…
さて肝心の『ファンフィクション』の内容はというと、大半はドラマのキャラ同士の恋愛エピソードを派生させた続きネタとか、創作恋愛エピソードとか、キャラになり切った恋愛ポエムとか…。何十ページも続くようなのはあまりなくて大体がちょっとしたエピソードの断片みたいな感じ。
中には、ドラマでは全く恋愛関係じゃない同士(ただの上司と部下とかライバルとか、敵と味方みたいなのとか)をくっつけた話とか、成人向けのエロいのもある。そっちは一応、R15とかの年齢制限あったりアダルト注意って書いてある。と思えば家族のエピソードとか、ドラマの謎を自分なりに解決させたストーリーとか全く恋愛絡まない真面目なやつもたまにはある。でも人気なのはやっぱり恋愛ネタらしい。この辺は日本と変わらないでしょうか。
そうかと思えば何人もが共同してVirtual Seriesとか銘打ってサイト作って、勝手に映像編集してオープニングからリクリエイトしたり、勝手に脚本書いたり動画作っちゃったり、終わったドラマのその後の話を何話も作ってる人たちもいたり。スケールでかすぎてクオリティ高いのもあった。日本でもドラえもんの幻の最終回(二次創作)がハイクオリティすぎて公式と紛らわしいから訴えられてたのがあったけど、あんなイメージで。こっちは訴えられてはないけど。
と、そんな感じで一昔前の英語圏(アメリカ)の個人サイトでは、この手のファンフィクションであふれてた。アメリカのジオシティーズなんかにもたくさんあったよ。angelfire.comとtripod.com(どちらもLycos)で作られてるサイトも多かった。xoom.comって閉鎖されたホスティングサービスもあったなって探したら、同じドメインでペイパルの送金サイト業者に使われててびっくりした。
これらはトップページから行く分には避けることもできるけど、たまに検索でダイレクトヒットして泣かせてくれました。あらすじやレビューと間違えて真面目に読みかけたらファンの創作小説だったり、しかも好きなドラマのエロパロディとかびっくりするって。しかもドラマの画像とか挿絵代わりに使うし。日本とは超えちゃいけないラインが違う。
なんて書くとアンチかよって感じですが、私も好きな俳優が「きゃーカッコイイ」で見てるだけなので全然高尚なファンではないし、ファンフィクション書いてる人たちも同じ物語や役者のファンだったりするわけだし、私がクリフハンガーエンドやドラマの謎を考察したりするように、ドラマ中の恋愛エピソードの続きを想像してるんだろうと思えば、熱意の方向性が違うだけとも言えなくないので、好きではないけど●ね!とまでは言わないよ。物語のその後を想像するのはファンなら当然する妄想だし。ただそんなサイトばかりあったから、「普通にあらすじ書いてくれ!続きがどうなったか教えろ!」ってなってただけで。あ、でもエロいのは苦手です。それも見えないところで勝手にやってる分にはいいけど、見せないで。
何でこんなこと言うかっていうと、日本はコミケがニュースになるほど有名にはなったものの、わざわざ行かなければならない内々のイベントだし(私は行ったことない)、普通のファンと二次創作は住み分けができてるし、特に実写関係は検索除けが徹底していて配慮があった。同じドラマのファンの人やサイト持ってる人で、BL含む二次創作もやってますって人たちは日本にもいたけれど、大体サイト自体を分けてたし、私が二次創作は興味ないって言えばそっちの話は振らないでくれてたし。けど、アメリカのネットのファンフィクションは境がないわオープンだから。
上で書いたようにファンサイト=二次創作化してたのもあるし、ファンフィクションがドラマのキャラクターの(恋愛)エピソードを派生させたものが多くて、濃いのは奥に潜っているせいもあってか、公式からもリンク貼ってたり!公式や役者とやりとりしてたり!公認ファンサイトにまでファンフィクションあったし…。果ては毎年、『Fan Fiction Awards』とかってやってたり。勝手に賞作るな、祝うなって感じだけど、横のつながりもあったんだよ。なので避けにくかった。
(しかしwikipediaとかにリンクされてるファンサイトにファンフィクション系はないので、そういう意味ではやはり住み分けされてるかもしれない)
まあ公式の扱いは日本と同じく制作側の考え方によって温度差があるみたいだし、昔はいろいろゆるかったとか、広告目当てで作る人もいなかったけど、今は大手ほど厳しいし、画像や動画は特に権利も厳しくなってるって時代差もある。
更にアメリカは日本より先に個人サイト文化も廃れてしまったので、今はそういうサイトも減った。では英語圏の二次創作者はどこへ行ったのかというと、Tumblrとかlivejournal.comとかSNSでグループ作って語り合ってたり、大手のサイトに集結されてる。そういう流れも日本と同じかな。
主なFanfiction (ファンフィクション)サイトとか…
個人サイトがなくなって大手に集結される流れは日本と似ています。というわけで実際のサイト。でも勿論英語です。二次創作がアウトな人とお子様は見てはいけません。
●https://www.livejournal.com/
トップページはいたって真面目っぽく見えるけど、何故か英語圏のオタクや二次創作とかの人たちが集結してる。理由は知らない。よくリンクを見かけるだけ。ブログと掲示板とコミュニティー機能とかいろいろあるから?でも最近はTumblrのが人気らしい。
●https://www.fanfiction.net/
多分一番大手で古いアメドラからアニメからいろんなジャンルのファンフィクションサイト。タイトルが日本語のもあるけど基本は英語。私の好きだったドラマはフランスでも人気だったのでフランス語のもたくさんヒットしてる。読まないし読めないが。
タグを見ると、Romance・Family・Humor・Comfort・Friendship・Angst…とかいろいろあるので、ロマンスがついてないのは友情物とか家族ネタとかの真面目な二次創作らしい。興味がある人はこういうのを読みまくると英語の勉強になるかもしれない。しかし素人小説なので文法が正しいかは知らない。私はいつもは検索で避けてます。おい。しかし投稿してる人たち、アイコンにドラマのキャラ(俳優画像)使うのは反則だと思うの…。
●https://www.adult-fanfiction.org/
18禁なのでリンクは貼らない。こっちは成人向けのやつ。昔はadultfanfiction.netって名乗ってたはず。そのドメインは業者に取られてる。
●https://www.squidge.org/peja/cgi-bin/index.php
18禁もあるようなのでリンクは貼らない。squidge.orgの中の1コンテンツらしいけど、ここもよく引っかかるファンフィクションサイト。タグとか見るとアダルトもあるっぽい。kindle対応とかしようとしてるらしい…。
●https://www.deviantart.com/
ファンアートとか絵のサイトも一応ある。もしかしたらどこかにもっとあるかもしれないけど、探してないので知らない。
●https://fanlore.org/
昔あったwebringをもっと細かくしたような、二次創作のジャンルごとの傾向やファンサイトとかのアーカイブサイト。ここは記録目的なので自分で登録するサイトじゃなくて、運営(ポランティア)が登録するタイプらしい。残念ながらさっぱり分からないけど多分日本のを紹介してる『Doujinshi Circles & Doujinka(同人誌サークル&同人家?←同人作家と言いたいんだと思う)』ってカテゴリもあった。
[ページ例]ヤングジャスティス(アニメ)
https://fanlore.org/wiki/Young_Justice_(TV_series)
これを選んだのは、私の好きな俳優が声優やってて最近ちゃんと見た(アニメまで見てるなんてファンの鑑!と誰も褒めてくれないので自分で言う…)のと、日本でも吹き替え版で公開されてたらしいからって理由だけど、リンク先の情報についてはノーコメント。しかしShippingとかPairing※とか不穏な単語が並んでるのが見つかるであろう。要するに一番人気のカップリングとか。同性同士もあるっぽい。/は日本では×で表示してるやつ。Tumblrでは/が使えないから組み合わせごとに略語を作ってるって余計な知識まで知ってしまった。
日本にない点としては、アニメですらキャラの扱いがセクハラ的とか議論されてたり、二次創作のカップリングですら人種差別とか指摘されてる点。黒い人の扱いが悪いって言われてる。そこは「好みの問題だろ」で片付けるんじゃなくて、「好みが白人に偏るのは有色人種が魅力的に描かれないせい」ってなるのがアメリカ流。たぶん。
しかし二次創作のオタクは移り気だというのは英語圏も一緒なので、ファンフィクション界も、古いジャンルは過疎って消えて、みんな新しい話やキャラに乗り換えてく。最後に残るファンサイトは、二次創作のない普通のドラマや俳優ファンのものばかり。といっても俳優ファンも年取ると減るけど…。まあファン活動は熱が冷めると赤面ものっていうのは日本に限らないのかもしれないね。全ては若気の至りと。
ということで定期的にサービスが閉鎖されて、黒歴史が海の藻屑と消えるのは、彼女たちからしても喜ばしいことなのかもしれないと思う。まあそう言いつつもアメリカは何気にwebの歴史を重んじる国なので、上のfanloreみたいにオタク活動までアーカイブしようって余計なことをしてたり、アメリカのジオシティーズも、ミラーサイトがいくつも残ってて今も見られるんだけどさ。