イギリス英語とアメリカ英語のどちらを選ぶべきか?

最近、何かとイギリスのドラマばかり見てるから――というわけではなく、少し前に親戚の大学生に「夏休みに英語の短期留学へ行きたいけど、アメリカ英語とイギリス英語はどちらがいいの?」と聞かれたので今回はこれを書いてます。実際はカナダとかオーストラリアとか色々な国が選択肢にあって、結局はオーストラリアに決めてたようです。今頃行ってるかな?

まず、私自身は留学したことないし、100%趣味で英語のドラマを見ているだけの一般人です。ドラマのおかげで海外のファン仲間や友達もできて英語でやり取りもしてるけど、まだまだ分からないことだらけ。親戚には「日本にいてどうやって英語を覚えたの?」「どういう勉強したの?」って根掘り葉掘り聞かれましたが、「煩悩の赴くままにハンサムの顔(好きな俳優)を見てただけ」としか答えられない役立たず…。

それに今回は短期留学だそうだけど、私が一番最初に英語ドラマを見た時は全く英語の聞き取りもできなくて、フレンチアクセントがフランス語に聞こえてたくらい全然分からなかった。そういう経験からすると、初心者は英米以前に、英語と謎言語の区別がつくかどうかのレベルかも…と思ったり。←今は何かと英語に触れる機会も多いから、私ほどひどい人はそう多くはないかもしれない…。

でも大人がそれを言ってしまうと身も蓋もないので、オブラートにくるんで相談に乗ったりしました。

そもそも何で相談されたかというと、もう20年以上もアメリカ俳優のファンでドラマ作品コンプしてるなんてことは親戚にも恥ずかしいので内緒だったんだけど(英語で見始めたのは最初に好きになったドラマがDVD化されてからで10年くらいだけど、いい年してアイドルファンとやってること変わらない自覚はある、笑)、お正月にゲームの声を聞かせてもらった時に、いろいろバレてしまったから。
→よりによってこれである。MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds

そして
「アメコミが好きならアメリカ英語じゃない?」
「うーん」
興味あるの私だけだった…。単にゲームが好きなだけだってよ…。みたいなことになってたわけですが。

どうも彼が聞きたかったのは、どちらがこの先、役に立つかみたいなことだったらしい。英語覚えても、ドラマを見る以外に役に立ててない私にそれを聞くか?って感じだけど。


イギリス英語とアメリカ英語の単語や文法の違いから、
地域差・階層差などの説明まで載ってます。

ジョンブルとアンクルサム
–イギリス英語とアメリカ英語
(著)野村 恵造

 
まずどちらが正統かって言われたら『英語』なのでイギリスの方だと思う。個人的には、文法も言い回しも難しい(というか基本に忠実?な)のもイギリスだと思う。でも、どちらの方が役に立つか、有利かっていうと、進路次第?もしこの問いを向けられたらどう答えます?←誰に話しかけてんの?

私がイギリス人なりアメリカ人なら、自分の国の言語のがいいって言いたくなるだろうし、英語を教えてる人とか利害があるならどちらかを勧める理由もあるかもしれないけれど、そんなのもないし…。

個人的な意見としては、

    将来のために選ぶ場合

  • ビジネスの相手とか移住予定が決まっている場合はそれを優先すべき
  • ビジネスで英語を使う環境だと、今時は英語ネイティブじゃない人の方が多くて、その際は分かりやすいビジネス英語が求められるので、バリバリのアメリカンアクセントとかいらない。むしろどちらかに偏らない方がいいのでは
    漠然と英語を覚えたい場合

  • 興味のある事柄・好きなことの延長にあるものを選ぶべき

とか思います。

 
最近はアクセントも無理に直さない方がいいってリベラルな流れになってきてるので、勿論、通じないレベルだと駄目だけど、無理にネイティブ発音目指す必要もない。そこで暮らす場合はやっぱり馴染んだ方がいいと思うけども、仕事や趣味の場合は何を話すかの方が大事だし。このサイトでもKGBとかロシア人が出るドラマの度に書いてるけど私はロシア訛りの英語が大好きだし、アメリカではフランス訛りの英語は教養がありそうって好かれるとかもあるらしい。アジア・日本訛りの英語も好きって人もいるかもしれない。

過去に見事な関西訛りの方にも会ったこともあるけど、英語自体はペラペラで現地の人と支障なくやり取りしてた。あれは上のフレンチアクセントがフランス語に聞こえるのと同じで、リズムとイントネーションが完全に関西弁。でも中身は英語で不思議だった。思わず関西出身か尋ねたらやっぱり兵庫の人だって。笑。あの英語はもう一度聞いてみたい。

 
そして正直なところ、イギリス英語とかアメリカ英語とか言うのは、ある程度できるようになってから考えればいいと思います。これも方言みたいなものだから、片方覚えても片方が全然分からないなんてことはないし。修正もきくし。混ざってても死ぬわけじゃないし。

でもある程度できるようになるためには、興味を持って継続しないとできるようにならないって卵が先か理論もあるので、そのためにはやっぱり好きな方を選ぶべきとなる。たとえそれが「こっちの方がカッコイイ」とかって理由でも。

どこで折り合いをつけるか

身も蓋もないことを重ねて言うと、よく言われている「子供のうちから海外で育っているとか余程の語学に秀でた人以外は、大人になってから英語を覚えようとしても、英語ネイティブにはなれない」――というのは正しいと思います。

私は英語のドラマを見たり、全く日本語のできないアメリカ人の友達とかと英語でドラマや俳優の話をしてるけども、自分を英語ペラペラとはとても思えない。それこそ全くできない人にはペラペラに見えても、自分自身ではとっさに言葉に詰まったり、言い回しが浮かばなかったり。もっと思ったことがすぐ出るようにしたいとか、語彙が足りないとか、発音が~とかまだまだ駄目なところもたくさんある。

そういう自分の中での「まだまだ」って部分は、それこそアメリカに何十年も住んでいて会話に困らないレベルの人でもあったりするらしい。まあこの「まだまだ」のレベルは、初心者と上級者では全然違うものだけど、やっぱり英語ネイティブでない限りずっと完璧ではない点が引っかかり続けるんだって。

なので日本人が英語をマスターしようと思ったら多分、一生アップデートし続ける必要がある。一生涯のお付き合いになるので、楽しく・好きでないと続かない。

とは言うものの日本人だって日本語が完璧なわけじゃない。日本で生まれ育った私も分からない言葉はあるし、読めても書けない漢字もたくさんあるし、敬語とか怪しい時もあるし、意味を間違えていたり調べることもあるけど、自分では日本語ネイティブだと当然思っているわけなので、英語でだけ完璧を目指すのがそもそも間違いという話もある。

 
いずれにしても、完璧はないと悟った上で、まずはどのレベルを目指すかと、自分がどこで納得するかが、挫折しないためにも大事なのではないかと思います。「一生なんて付き合い切れないよ」って人はその上で、それこそ仕事でしか使わないからって割り切ってビジネス会話だけに特化する道もあるし、海外にもいても日常生活ができればいいわってところで満足する道もあるし。

反対に現地生まれと間違えられるくらいに充分ペラペラでも、更に上を目指すのよ!って発音矯正してる人とかいるし。そこはやっぱり自分との折り合いだよね。

やっぱり「好き」でないと

私も未だに新しい英語ドラマを見るたび知らない言葉が出てきます。そのたび検索してます。たまに見る歴史ドラマや、最近よく見始めたイギリスドラマは、アメドラとも違う聞いたことのない言い回しとかあって、調べて新鮮だなって楽しい。こういうのはもうドラマを見るのとセットの習慣になってますが、楽しいのはあくまで趣味だからで、これを勉強と思ったら面倒になると思う。そういうことを考えても、やっぱり好きでないと続かない。

アメリカかイギリスかって理由も、私の場合は別にアメリカ英語が覚えたかったわけではなくて、上で書いたようにアメリカの俳優に惚れて、彼の出てるアメリカのドラマをひたすら見てるうちに言ってることが聞き取れて、理解できるようになった。彼がイギリス人だったらイギリスドラマばかり見たかもしれない。フランス人だったらフランス語覚えてたと思う。でもガラの悪い人がたくさん出てきてバンバン撃ち合いしてるアクションが好きだから、やっぱりアメドラが好きかも…。イギリスドラマの方がお上品よね。

逆にイギリスドラマばかり見てる人も多分「この俳優が好き」とか「このドラマが好き」とか「イギリスドラマの雰囲気が好き」とか、似たような理由で見てるんだと思う。どちらと意識しないで広く海外ドラマを見ている人も勿論多いと思うけど、それも「好きで見てる」だけだろうし。ドラマファンには大体、高尚な理由なんてない…。

フィクションの物話だけじゃなくて、実際の国や文化や音楽が好きで英語や他の言語を覚えたり、移住してる人もいるだろうけど、その人たちもどちらが得とか考えて選んだわけではなくて好きだからこそそうなったんだろうと思う。

普通の人はどういう理由で、アメリカ英語とかイギリス英語の選択をしてるんでしょう?やっぱ好みよね?

アメリカ人なら だれでも知っている
英語フレーズ4000

英語の参考書とかは買ってないけど、この本は普通に役立ちました。
アメリカ英語の熟語から慣用句や定型文までいろいろ載っている。
英語の雑学本として普通に読んでも楽しい。