知ると気になって仕方がなくなる『Blue Bloods(ブルー・ブラッド)』の呪い

なんだよこのタイトルはって言われそうですが。私が初めてこのドラマを見た当初に「気づいて」しまって以来かかってしまった呪いについてです。

今回のアメリカドラマは日本でも公開されてる『Blue Bloods(ブルー・ブラッド)』です。ニューヨークのアイルランド系警察官レーガン一家と仲間たちの物語で、日本語版だと配信のタイトルとDVDが微妙に違ってた。

  • 配信版:ブルーブラッド ~NYPD家族の絆~
  • DVD版:ブルー・ブラッド NYPD 正義の系譜

 
今は本国アメリカではシーズン12まで行ってる人気シリーズですが、長いこと日本ではシーズン2までしか公開されてなかったので、前に「続きが観たいんですけどどこで見られますか?」って私のところにコメントくれた方がいました。本国では配信されてるけど、それ以外だと英語DVDか配信業者にリクエストって答えたよ。

そのおかげではないと思うけど、今年になってhuluで日本語版もシーズン10まで放映されたり、FOX Japanでもシーズン3が公開とか。問い合わせてくれた人も今頃続き見られてるかな?

とか言いつつ私がしっかり全話見たのはシーズン1だけで、その後は途中まで見て止まってたり、たまーにタイミングが合えば最新シリーズの何話か見ただけ、みたいな飛び飛びなんですが。しかもいずれも英語版。なんでちゃんと見てるのがシーズン1だけかって、好きな役者がゲストで出てて最終話に退場してるからだよ。←フツーにネタバレ。

まあその彼の話題だけひたすら書いてる隔離サイトでも、今回の謎の話は5年以上前に書いてます。成長してない証拠です。その後にはこのシリーズリアルタイムで全部見てるってアメリカ人の友達にもこの件を聞いたけど、彼女はニューヨーカーじゃない(の…は関係ない?)こともあって「知らん」てお答え。

その後にもしかしてドラマ内でこの理由に触れてるエピソードあったりしないかも聞いたけど、「それもたぶんなかったよ」って。

と答えを書かないままに引っ張ってみましたが、この件、謎ってなにって?

 

謎の答え~Blue Bloodsの呪い

検証のためシーズン1の最終話からピックアップしてみましたが、おわかりいただけただろうか。

CBS productions『Blue Bloods S01E22』
Blue Bloods


答え:ストライプのネクタイ!

 
少なくとも私の手元にDVDがあるシーズン1だとこのドラマのスーツにネクタイ姿の登場人物の8~9割がストライプのネクタイしてんだよ!…ほら、確認したくなったであろう。あほです。

前述の友達の話だとシーズン進むと無地とかドットとか派手柄とか違うのも増えてきたって言ってたけどさ、私が見た回ではシーズン進んでも相変わらずストライプ率高めだったよ。と、もはやネクタイにしか目が行かなくなってしまう呪いである。←私のせいで友達もこのドラマ見るたびネクタイ柄チェックしてる…。

 
そもそもなんでネクタイなんて見てんだよって話ですが、私は好きな役者目当てで見たので、彼のシーンだけくり返しリピートするじゃん。4エピソードに出てたんだけど、毎回髪型違うなあ、いつもストライプネクタイだって目が行った。しかも毎回微妙に違う色のストライプ。赤でも違う赤って何のこだわりよ?と思いつつ他の登場人物にも目を向けたら、周りも軒並みストライプだらけ。

知的に見せたいとかの柄効果を狙うとか、ストライプのネクタイしそうなキャラとか水玉好きそうみたいな設定でもなさそう。だってメインキャラから一言台詞しかないちょいキャラまでストライプだし。

なぜー!

 
とは言っても制服警官は無地の制服のネクタイだから、100%ストライプにはなってません。そしてそれ以外のスーツ陣がみんなストライプで統一ならば、なんとなく統一感が出るでしょ。衣装さんがストライプネクタイ激安まとめ売りとかゲットしてきたのかなとか。

なのにたまーーーーにストライプじゃないやつが出てくるんだな。なので「こいつはなんでストライプじゃないんだ?」って違いが余計気になるわけ。人間は法則を見つけたくなる生き物であるからして、理由を知りたくなると。

まじで、なぜー!

役者がアンチ・ストライプ派とかで、衣装でもストライプ拒否したとか?んなわけない。微妙に例外が出てくるから余計に謎が深まって、すっかり登場人物のネクタイに夢中になってしまったと。

 
アメリカのネクタイのストライプとイギリスは向きが逆で、正面から見て右下がりがアメリカ式・右上がりはイギリス式だそうですが、長男はイギリス式のことが多かったね。けど統一してるかというとしてないんだな。こだわってんだかこだわってないんだか分からん。

このネクタイのストライプの向きの話は先日の日本の皇室ニュースでも見かけた気がしますが、あのお方もストライプのネクタイをしていたので、「ニューヨーカーはストライプが好き」ってだけの話かもしれません。

シリーズ重ねるごとにバリエーションが増えたとは言え、増えたら増えたでやっぱりネクタイばかり見てしまう。これがBlue Bloodsの呪いなのであります。

  

DVDのパッケージにもストライプの呪いが…。笑。

 

アイルランド系の理由

アイルランドにルーツのある一家そろってのディナーシーンもこのドラマの見所です。なんでもこのドラマが続いてる理由のひとつは、信心深くて(カトリック)家族で仲良く食事してる彼らに古き良きアメリカみたいなイメージを重ねる人が多いからとか英語圏のレビューで書かれてました。アメリカ人プロテスタントじゃんよって感じだけどさ。

日本でいうサザエさん一家的な牧歌的イメージを見てるのかもしれない。もちろんどちらも時代に合わないって批判の声もありますが。

 
ちなみに少し前の『Homeland』でもアイルランド系軍人一家がお祈りしてから食事してるシーンがあったけど、アイルランド系ルーツはアメドラでよく出てきます。『City On A Hill』のとこでも書いたけど、このドラマも『Crossing Jordan』もルーツがあるって設定になってた。これらはエピソード的にはほとんどなかったけども。

それはジャガイモ飢饉とかでアイルランドから移住してきた人たちがアメリカには多いわけですが、警察みたいな危険で低賃金の仕事しか残ってなかったので、今もそういう業種にアイルランド系が多く、クライムドラマだとよく出てくるからよく見るってリアルの理由があるのが一点。

 
そのうえでポリコレ的には、今時はアフリカ系とかアジア系とか有色人種を使うドラマが増えてますが、抜け穴としての『アイルランド系』があるらしい。白人だけど差別されてきた歴史があるから、まだ一般的な白人主人公ものよりは批判されにくいんだってよ。

まあこのドラマが人気のもうひとつの理由は、ぶっちゃけメインキャラが白人だらけって今時のアメドラにしては貴重ってのもあるみたいな。本音と建て前よね。一応有色人種キャラも仲間たちにはいたり、他もいろんな国の名前のキャラがいてニューヨークらしく多国籍ルーツっぽい設定にはなってますが。

ちなみにこういうアメドラでのアイルランド系の使われ方をアイルランド本国人の知り合いは「アイルランド人だと大体テロリスト(IRA)設定だから、それより待遇いい」って言ってました。笑。

The Blue Bloods Cookbook:
120 Recipes That Will Bring Your Family to the Table
(English Edition)

英語版しかないけどレシピ本が出てます。
定番ニューヨーク料理(?)から、トム・セレックの奥さんの得意料理やら、レギュラー俳優たちの家庭のレシピとかも紹介されてるらしい。

そんなわけでこのドラマ、一家のディナーシーンが頻繁にあり、アメリカでは料理本も出てたりするくらいなのですが、ドラマ内でも本物の料理を使って基本的にはちゃんと食べてるらしいよ。

日本語版に入ってるか知らないけども、英語版のDVDにはインタビューや没シーンとかギャグシーンチックなものがおまけでついてんだけど、一家の女の子がミートボールスパゲティ頬張りすぎて固まってるとことか映ってたよ。かわいい。

 

英語のお勉強。’dする

私は俳優目当てに英語版で見てるので、日本語版はどう訳されてるか分かりません。

このドラマは一話完結の事件モノでありつつ、シーズン1ではReagan家の次男Joeが殉職してて、彼が追ってた『The Blue Templar(青の騎士団)』を三男たちが極秘に追い詰める話になってます。

最終話では電話盗聴してた一家が、騎士団の腐敗刑事たちが(つか私の好きな俳優とかが)彼の死を動詞化して「Reagan’d」って言ってるのを聞いて、長男がブチ切れ、父ちゃんが「息子の名前つけやがって」みたいに言ってるシーンが出てきてました。

CBS productions『Blue Bloods S01E22』
Blue Bloods

That a guy got Reagan’d and we didn’t even know it.
直訳:そいつはレーガンされたけど俺らはそれすら知らなかった。

「Reagan’d=レーガンする=殺す」みたいな隠喩として使われてる。

 
で、この『’d』といえば、やはりアメドラの『This Is Us(ディス・イズ・アス)』で「ナガサキする」で「破壊する」的な意味として使われた台詞が出てきたとかで、同じ用法のが数年前に日本で炎上してました。

西日本新聞の2019年8月8日の記事

米ドラマで「ナガサキする」 “破壊する”の意味で使用 原爆に着想、俗語表現か
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/533636/

「If you do,I’ll be forced to Nagasaki your life and career.(もし降りるなら、君のキャリアを徹底的につぶすしかない)」

「I Nagasak’d him.(私がつぶした)」

※記事ではiが抜けて「Nagasak’d」になってますが、スクリプト確認すると「Nagasaki’d」みたいです。

九州の新聞社だけにしっかりNBCにまで問い合わせて背景とかいろいろ考察してます。

 
記事では

一般的な辞書には記載がなく、特殊な俗語表現とみられる。

ってありますが、「ヒロシマ」なら原爆ってアメリカ人もすぐ分かるからそこから意味を連想できそうだけど、「ナガサキ」だと海外ではそれより知名度低いので意味わからない人いるんじゃないかなと。なので一般的な使われ方ではないのは確か。

※今回のとは違うけど第二次大戦関連ワードだと「kamikaze(神風)」も英語化してて、自爆テロとかの意味が一般的ですが、アメドラだとそこから転じて自損事故を起こしたみたいなライトな自爆も「カミカゼしちゃった」みたいに使われてたりします。前にどこかのページで文句書いた記憶あるけど。

 
今回の件の用法自体については、アメリカ人に聞いたらこういうのは『had、did(した)』とか『ed(受け身)』とかの省略混ぜたスラング的表現だろうって。文法的には「Reagan’d」は『got+ 過去分詞』としての「’d」で、「Nagasaki’d」は『過去形』の「’d」ってことでしょうか。

共通のコミュニティ間で通じる言い回しとして、「Nagasaki’d」とか「Reagan’d」以外も名詞を変えて無限に作れるらしい。

 
実際この『名詞’d』みたいな言い回しはアメドラだとたまに出てきます。ただし「I OK’d it.(私はそれをOKした)」みたいにいい意味でも使えるそうだけど、ドラマ内だと今回の両者みたいに悪いことを遠回しに表現するのに使われることが多かったり…。

日本語でも「タクシーに乗る」を「タクる」みたいなのが「OK’d」に通じる使い方だけど、これらは言葉の意味をストレートに表現してるので、ドラマの使い方の裏の意味を暗示してるのとは少し違う。

「Googleで検索する」を「ググる」って日本語のスラングで言いますが、英語でも同じように使います。ただこれも言葉そのままの意味で、英語だと『googleはもはや動詞』でもあるので、厳密にはちょっと違う。「He googles it.」みたいに動詞活用します。

ドラマに近い表現としては、一昔前に「アサヒる」&「アベする」って言葉が炎上してたけど、これが使い方、使われ方が似た感じではないかなと。ネガティブ暗喩なところも含めて。

と、今回久しぶりに『Blue Bloods』見返してて思い出して語ってみた。
けど英語の話よりも、みんなぜひこのドラマを見て私同様に登場人物のネクタイ柄をチェックしたくなる呪いにかかってほしい。