アメリカドラマと反ワクチン派のお話

※初めに断っておきますが、私は専門家ではないので医学的なことは一切書いてません。あくまでドラマとかの話です…。そして私はモデルナ二回接種済みです。

いきなりですが、反ワクチンは英語で『anti-vaccine』です。抗体は『antibody』、抗うつ剤が『antidepressant』みたいに、医療用語とかの日本語で『抗○○』ってなるやつが英語だと『anti○○』ってついてたりもよくしますが、一般では『pro-(親,賛成派)』と『anti-(反,反対派)』のセットになってることも多いです。

アイルランドの内戦は英愛条約をめぐって『条約賛成派(pro-Treaty)』と『反条約派(anti-Treaty)』が戦いました、とか。最近だと『親トランプ派(pro-Trump)』と『反トランプ派(anti-Trump)』や、『マスクする派(pro-mask)』と『マスクしない派(anti-mask)』の争いなんかもありました。日本だとあまり賛成派とか言わないので対比がないけど。

この流れでワクチンは賛成『pro-vaccine』で反対『anti-vaccine』になるわけですが、反ワクチン派の人のカッコいい(?)呼び名としては『anti-vaxxer』ってのもあったりするようです。「俺たちanti-vaxxersだぜ」みたいな。

そしてこの「anti」は日本語では「アンチ」ですが、アイルランドの人とかイギリスだと「アンティー」って発音してたりします。ちょっと日本語と近いよね。けどさアメリカだと「エンタイ」って言う人多い。宴会のイントネーションで。聞くたびアメリカ英語ってやっぱ変わってると思うのであります。

 
と、どうでもいい英語のネタから入ってみましたが、日本でも国民の半数が新型コロナウイルスワクチンの1回目接種を終えて、8月末には2回接種を目指すとかニュースがありました。

それより先に進んていたアメリカでは芸能ニュースでも、ワクチン接種してない人とは付き合わない宣言した役者さんのニュースとか、ベテラン俳優やHBOが撮影の際にはキャストクルー共にワクチン必須を希望とかのニュースが出てきています。映画俳優組合とか業界全体でワクチンに関するガイドラインを作る提案とかってのもあった。

一応反対派の声も紹介されてたけど、ハリウッドもアメドラ界もショービズと呼ばれるところはリベラルが多数なので、ワクチン推進派が主流の流れのようです。反ワクチン派の人は仕事しづらくなりそうね。ベテランや売れてる人ならマメにPCR検査するとか回避策も取るんだろうけど、駆け出しの人はベテランを前にそんな強いこと言えないし。

けどアメリカに限らず日本や他の国でも、撮影はたくさんの人が集まるし、中心になるのは体形や健康に高額の保険かけてる人も多い一流俳優たちなわけで、万全を期す流れになるのは仕方がないかなとも思ったり。

マスクやワクチンなどのコロナ対策――というかコロナに限らず集団感染対策は、公衆衛生の促進予防として、しないわけにはいかないというのもある。

アメリカの場合はそれが拡大されて、CNNが未接種で出勤した人を解雇したとか、IT系の企業とかも必須にするって言ってるとこがちらほらあるとか、強制力が伴ってます。ワクチン打たない人の解雇はアメリカでは合法ですって。

 
「反ワクチン派は打ったって嘘つくから口頭だと信用しない。ワクチンパスポート見せろ」ってのは合理的でシビアではあるけども、お店でもワクチンパスポートを提示しないとは入れないとことか出てきていたり。この流れはヨーロッパとかでも出ているようで、勿論、反発もあるわけですが。

ちなみに(元)知り合いのアメリカ人の超反ワクチン派の人に「日本はどう?」って聞かれた時に、「日本は打った人打たない人どちらも差別しちゃダメって言ってるし、ワクチンパスポートも旅行用のみって言ってるから、強制されることはないんじゃないかな」って答えたら、羨ましがられました。日本の反ワクチンの人、あなたたちは恵まれてますって。笑。

けど日本には社会的圧力(他人の目とか世間体とか)があるからもし全国民がワクチン接種できる状況になったら、人口の80%以上は打つと思うよ、とは言っておいたけども。法律で決まってなくても、真夏でもほとんどの人がマスクしてるしとも言ったら、うげーって顔されたし。

まあこの方には「ワクチン二回打った」って言ったら、余命宣告された人を見る眼付きで見られてその後は避けられてるので、今はそんな話もしないできないけど…。いい人だったんだけどな。コロナの話さえしなければ。

華氏表記の体温計華氏表示だとさっぱり分からないけど、100度超えてなければ問題ないって大雑把に教わった…。
(画像は摂氏37.2度くらいに相当。ワクチン後の私の体温だよ)

 
と、世界中でこんな分断が起きている昨今ではありますが、個人的には反ワクチン・反コロナもありだと思ってはいます。私も身内も大体ワクチン打ってるけどさ。集団免疫って言ってた頃は、7割がワクチン打って拒否した3割がその免疫にタダ乗りするのはどうよって思ってはいたけれど。

今はワクチン打っても感染する人がいたり、効かない株も出てきているとか、ウイルスの方も『多様化』しているので、どれが正解とは言えなくなってるし。

世界中みんなが同じようにワクチン打っちゃったら、それが失敗だった時は種として全滅しちゃうわけで、個体じゃなくて種族としての生存戦略としてはいろんなパターンがあるのはまあいいのではと。実際は反ワクチンじゃなくても子供は打ってないとかあるので、全滅はしないだろうけども。

いずれの選択肢を取ったとしても、互いに尊重し合いましょう――ってのはやっぱり難しいけど、理想としてはそうできればいいんだろうけどね。互いに親切のつもりで助言するとそれがエスカレートするというか。勧誘する派がいろいろとね。

 
というわけで、日本でも同じだと思いますが、アメリカの反ワクチン派。今まで会った人をパターン化してみた。実際はこんなきっちり線引きできるもんでもなくて混じり合ってるけど。
 

  • ワクチンは毒とか陰謀説とか…。
    ワクチンは将来の健康にどう作用するか分からない。みたいな話は打った人も心配しているところなので、理解できる範囲です。しかしここに入る人はそんな一般的なものではありません。打ったら3年後に死ぬとか、不妊になるとかみたいなマイルドなのから、ワクチンは人類の人口抑制システムだとか(打った人を間引く)磁力とか5Gとか言ってる人まで幅広い。私の知り合いはかなりのディープな人であった。

    会話に出てくる単語のmagneticとかmagnetismってなんの話だよ?比喩か?って最初は思ったよ。けどぐぐったらそのまんま全身にフライパンとかくっつけたおっさんの画像が出てきたのは衝撃でした。

    ロス○ャイルド家とかフリー○イソンとかイルミ○ティとかビル・ゲイツとかユダヤとかロシアや中国の陰謀とかの話もしてくれたり。この辺は世界は一部の人々が支配してる的な『新世界秩序(The New World Order)』って陰謀説から来てて、全部つながってるらしい。早大すぎる話である。CNNはCIAの宣伝部隊みたいな話も。やっぱり元大統領が好き。そして反マスクも兼任してたりコロナは風邪派でもあったり。

  • 信仰とかで打たない人。
    実質ほぼ無宗教の日本人からしたら、宗教や神様の加護を信じて打たない人もまあ「カルト」の括りでしょうが、こちらは一応、陰謀説は言わない。勧誘しない。ただ宗派で固まってる人たちは、打たない自分たちは箱舟に乗った選ばれた人間で、それ以外はいざとなったら裁かれる可哀想な人って思ってるかもしれない。

    とはいうものの、ここはどの宗教ってのも決まってるわけじゃなくて、どの宗教でもいると思う。これを理由にしてる私の知り合いの一人はカトリックだけど、ほとんどの他のカトリックの人はワクチン打ってるし。アメリカだとプロテスタントの人も多い。他にもユダヤ教が多いとされるイスラエルはガンガンワクチン打ってますが、一方で超正統派な人たちはマスクもワクチンも拒否してるとか。イスラム教でも一枚岩じゃないとかさ。まあ解釈の違いとかなのかな。

  • 異物拒否・自分の免疫を信じる人。
    オリンピックの時もワクチン打って万が一体調損ねて選手生命終わったら困るって拒否してた選手とかいたようですが、私の知り合いでも異物は入れたくない・自分の免疫力を高めて自然に任せるって人もいます。元々病院とか嫌いでオーガニックとか好きな人だったので、これはナチュラル派になるのかな?

    コロナに限らずワクチンや薬嫌いもいる。疑似科学とかスピリチュアルとか行くとちょっとディープになってくる。免疫力を高める○○水飲んでるから大丈夫、みたいなの。

  • 打ちたいけど打てない人。
    アレルギーや持病で打てない人。身内に反ワクチン派がいて絶対止められてる人とか。打ちたいのに~って人はかわいそうです。日本では割とここの人たちに配慮して「差別しないようにしましょう」ってやってますが、アメリカだと「打ちたいなら戦って権利は勝ち取れ。打てない理由があるなら主張しろ」になるのか、あまり配慮されてない気が。文化の差?
  • 慎重派。様子見中。
    若いからコロナに感染して重症化するリスクより、ワクチンの副反応のリスクの方がありそうって考える人とか。日本も含めて各国ではそういう若者にも何とか打たせようとしてますが。他にもワクチンはまだ実験段階だろうとか、この先もっと効果的なワクチンが開発されるんじゃないかとか、できるだけ打つのを遅らせたがってる人も。時期が来たら打つ気でいるので、反ワクチンではない人もいる。待ってるうちに感染しちゃって後悔するリスクはあるね。

ざっとこんな感じでしょうか。上ほど強烈で他人に嫌がられますが、それはぶっ飛んでるからってのもあるけど、勧誘するからだろうと。

 
なんて他人事みたいに言ってないで、この人たちにワクチンを打つよう説得しなさいって思う人もいるかもしれませんが。ワクチン打った方が重症化は防げるとか、(陰謀説信じてる人に)そんなの嘘に決まってるとかってのはよそ者の私が言わずとも、当人の身近な人もニュースも政府も日本以上の圧力で言ってます。

それでも打たない人は打たない。むしろ人によっては打たない側の正当性を訴えてくる。どこまでも争うか、本人の意志を尊重するか、距離を置くかになるのです。

 
最初に書いた超反ワクチン派の人も、前は私にいろいろ教えてくれて、FacebookやYoutubeから消された真実(ってフェイクニュースで消されたんだけど)だ、見た方がいいって『BitChute』とか『Rumble』の動画のリンクとか熱心に送ってくれてました。ワクチン打たない人同士の『Unjected』ってマッチングアプリ情報とかも。私は興味なかったけどその人は使ってた様子…。

またインターネット検索する時はGoogleを使わず『DuckDuckGo』使えとかも言ってた。Googleはフェイクニュースを弾いたりするので、それを情報統制と感じるらしい。そして「DuckDuckGoはそれをしないから真実に辿り着ける」って理屈になるらしい。

『BitChute』ってサイトは、他で消されるような動画もアップできる――要するに無法地帯?のようで、必然的に濃いのが集まってくるようで。もらったリンクの動画のいくつかを人の名前とかでぐぐったら「嘘ニュースです注意」系の記事も山ほどヒットするので、英語圏ではそこそこ拡散してる様子。それどころかメジャーどころは日本語字幕ついて日本でも拡散されてたよ。すげー。

去年の時点で早々にBBCに虚偽認定されているこのキャリー先生もいまだに大人気なお方らしい。
Coronavirus: False and misleading claims about vaccines debunked
https://www.bbc.com/news/53525002

この方はワクチンで人間の遺伝子が組み替えられるとか言ってるらしいけど、そういうのも上の磁石化もだけど、陰謀論の人の発言を日本語でSNSとかでぐぐると、大体日本でも誰か言ってたりするので、インターネットのおかげでこの手の情報も世界に共有されてる様子。ほんとすごいよね、感心したよ。

先の知り合いは「コロナになったホームレスは見たことがない(だからコロナはフェイク?)」とかも言ってましたが、これも日本語でぐぐると「なぜ感染しないのか」って記事はあったので、多分日本でも似たようなことを言っている人はいるんでしょう…。

なぜホームレスはコロナに感染しないのか?
https://diamond.jp/articles/-/243720

支援者も三密を避けるようにしてるとか、もともと路上生活者のマスク着用率は高いとか書かれてますが、多分陰謀説が好きな方にはこの答えは物足りないであろうね…。

ちなみに私がワクチン打ってからは上でも書いたように避けられてますが、同様に打った友達もやっぱり避けられてるって言ってた。ワクチン打った人に近づくとやばい説とかもあるのかな。

 
さて、反ワクチンをカテゴリ化したけども、反ワクチン派の意見を全て否定はしません。親ワクチン派ももちろんみんながみんなワクチンを100%信じてるわけではなくて、とりあえずみんなが打ってるから打つとか、将来は不安だけどコロナも怖いしで打ってる人もいるし。

「反ワクチンとか唱えてる医者や有名人はそれで稼いでるだけ」ってよくある説得に、「製薬会社はワクチンでもっと稼いでるだろ」って返しは上手いなって納得しちゃったし。確かに。

ただ打った人たちも勧誘するじゃんって意見には、それは『公衆衛生に基づいた感染対策』の前提があるから正当とされてるのだと答えます。実際はどっちもウザいってのもわかるけど。

周りでも陰謀説はさすがに打っちゃった人からは聞きませんが、副反応で「スプーンがくっついたよ」とかのネタはあったりする。冗談だと…思って笑ったけど。え?

他にもファイザー打った人に副反応出たか聞いたら、冗談で「ドイツ語がペラペラになった」って言われたことあったけど(ファイザーはドイツ系アメリカ人が作った会社で、ワクチン作ったのはトルコ系ドイツ人って辺りから来てる)、これ全然接点ない別の人がそれぞれ言ってるのを聞いたので、割と鉄板ネタのようです。

私は「モデルナ打ったのに英語ペラペラになってない」って返したけどさ。中国のワクチンだと中国語、ロシア産だとロシア語がペラペラになるのか?!って応用ネタもありますが、マジでそんな副反応あったら全部打ちたいです。

アイ・アム・レジェンド (字幕版)
※この映画は反ワクチンや陰謀説な人たちに人気らしい…。勿論フィクションです。

最初に書いたように、リベラルなアメリカのショービズ界はワクチン推進派主流なので、アメリカドラマでも正義の味方はワクチン打つと思います。と無理にドラマの話に持っていく。

ジャンルによるとこ大きいけど、思い起こしてみると私が好きなアクションやクライムドラマだと、胡散臭い素性知れないワクチンだろうとヤバい薬だろうと、割とホイホイ主人公たちは打ってますな。コロナ前から。

「副反応が怖い」「打って体調悪くなるの嫌だ」って言ってたら、アメドラヒーローにはなれないのだ。まあ全部のドラマ見ただけじゃないので例外もあるでしょうけど、主人公は大体ヤバイ目に遭っても死なないからさ。

一方で、脇役モブキャラなんかだと効果的な薬と偽られて毒打たれたとか最悪死んだとかの展開もあったし、ホラーとかだとみんなが打ってるワクチンに懐疑的で慎重なやつだけ生き残る展開とかもあるかと思いますので、フィクションのワクチン万能説は唱えませんが。

 
ただワクチン打つことが正しいとされてる現状でこれから作られる話に限ると、もしワクチンやそれに類するものが出てくるエピソードがあれば、メリットを与えられる展開になるであろうことは想定できるわけで。希望を与えるポジティブな業界の流れとして、ワクチンの効果がなかった話とか、薬害の話とかを今わざわざ作らないであろうと。

むしろ、みんなにワクチン接種を促す『啓蒙的な』エピソードのあるドラマもできたりするかも。そしてそれを反ワクチン派の人は『洗脳』と受け取るかもしれない。

もし反対に今のこの状況でワクチンがデメリットになるエピソードだのネガティブな話があれば、「この作り手は反ワクチンなんだろうな」とか「ワクチン派を揶揄してるのかな」とか思うことになりそうだけど、場合によってはそういうエピソード作ったクリエイターは叩かれそうとか飛躍したことも考えてみる。

アマゾンのベストセラーは反ワクチンの方が多いっぽい…?